October 7-9 2016, Weekend

◆10月第1週公開映画BUZZ


バース・オブ・ネイション “The Birth of a Nation”
 配給:フォックス・サーチライト
 監督:ネイト・パーカー
 Budget:$8,000,000
 Weekend Box Office:$7,004,254(2105)
 OSCAR PLANET Score:74.4
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:ネイト・パーカー
           助演男優賞:アーミー・ハマー
           助演女優賞:アーンジャーニュー・エリス
           助演女優賞:アヤ・ナオミ・キング
           撮影賞編集賞美術賞衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞

ガール・オン・ザ・トレイン “The Girl on the Train”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:テイト・テイラー
 Budget:$45,000,000
 Weekend Box Office:$24,536,265(3144) Good!
 OSCAR PLANET Score:46.7
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演女優賞:エミリー・ブラント
           助演女優賞:ヘイリー・ベネット
           助演女優賞:レベッカ・ファーガソン
           撮影賞、編集賞、作曲賞

“Middle School: The Worst Years of My Life”
 配給:CBSフィルムズ、ライオンズゲイト
 監督:スティーヴ・カー
 Budget:$8,500,000
 Weekend Box Office:$6,878,437(2822)
 OSCAR PLANET Score:58.7
 Oscar Potential:None

“Voyage of Time: Life's Journey”
 配給:ブロード・グリーン
 監督:テレンス・マリック
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:85.5 BIG WAVE!
 Oscar Potential:ドキュメンタリー映画賞


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 目下、色んな意味で話題の一本が遂に登場。ネイト・パーカーが監督・主演する『バース・オブ・ネイション』がその作品。1831年ヴァージニア、奴隷解放運動を主導した、元奴隷で神父のナット・ターナーを描く実話ドラマ。原題は1915年映画「國民の創生」(D・W・グリフィス監督)と同じで、同作は名作と称えられる一方、人種差別的描写の数々が常に問題視されている。それと同タイトルを選んだところに、パーカーの意志的なものが感じられる。批評家は語りや脚本に問題がないわけではないとしつつも、胸に深く突き刺さる圧倒的なメッセージ性と語り継がれるべき人物の迫力がそれらを凌駕し、大変パワフルな後味を残すと熱く讃えた者が大半。…というわけで、『バース・オブ・ネイション』はサンダンス映画祭でプレミア上映されるや否や、大絶賛の嵐が巻き起こり、そのまま配給会社間で争奪戦が勃発。結局フォックス・サーチライトが史上最高額となる1,750万ドルで配給権を獲得。もはや来年のオスカーは決まったという声さえ挙がるほどのBUZZを春先の時点で作り上げていた。ところが、夏に報道されたあるゴシップにより流れが一転する。パーカーと脚本のジーン・マクジャニーニ・セレスティンが過去にレイプ事件で逮捕されていたという事実が発覚したためだ。それによると、大学生だったパーカーとセレスティンは酒を飲んで無意識状態にあった女性をレイプ。女性は訴えを決めるが、パーカーとセレスティンの戦略により女性が被害者であることが大学内に知れ渡った他、数々の嫌がらせにより彼女は退学に追い込まれる。民事裁判では大学が和解金を払うことで落ち着いたが、刑事裁判ではパーカーは無罪、セレスティンは有罪の判決。その後も彼女は心理的に苦しみ続け、2012年に自殺したという。これは完全に被害者側目線の報道で、パーカーやセレスティンにも言い分はあるのだろうが、事件が起こったことは間違いなく、当然観客はどう作品を受け止めるべきか戸惑うはずだ。作品とゴシップは切り離して観るべき、評価するべきというのは理想には違いないが、観る・評価するのは人間であり、人間がそんなに簡単に割り切った見方ができる生き物ではないことは明らか。そして、そうすることができなかったとして、それを責められる人もいないだろう。作品賞、監督賞、脚色賞を始め次回のオスカーの主役になることは確実と言われていたBUZZはアッという間に萎んでいき、今や候補も危うい状況というのが大方の見方だ。フォックス・サーチライトはパーカーへの忠誠を表明し、彼を支持するとしているが、果たしてどういう賞レース展開になるか、注目される。なお、それを予測する材料として注目されていたBox Officeだが、1,000万ドルに届かない苦しいオープニング。オスカー会員もそもそもの観賞を拒否する者が出てくることが考えられる。果たして…。

 『ガール・オン・ザ・トレイン』はポーラ・ホーキンスのベストセラー小説を映画化したスリラー。離婚直後で傷心の日々を送るレイチェルが、通勤電車の中から自分の理想として眺めていた夫婦の内、実は不倫をしていた妻が死体で発見される。レイチェルは思いがけず疑惑の目を向けられる。第二の「ゴーン・ガール」(14年)になるのではないかと期待されていた一本だが、「ゴーン・ガール」に較べると、批評家の反応は大分鈍い。どうやら原因は語りのテンポにあるようで、だらだらと脇道に逸れながらのストーリー展開が苛立ちを誘い、しかも行き着くのはメロドラマでしかないという。ただ、否定派一色になっていないのは、何と言っても主演女優エミリー・ブラントのパフォーマンスによるところが大きく、スター性を十二分に発揮しながら演技的にも実に繊細かつダイナミックな魅力的なそれであるという。賞レース参戦があるとするなら、ブラントの主演女優賞に限られるだろう。ただ、今年の主演女優賞は既に混戦を極めている。ブラントが勝ち抜くためには何が何でも興行的成功が欲しい。そうして発表された週末成績は2,453万ドル。これは製作費が4,600万ドルに抑えられていることを考えれば悪くないのだが、賞レース参戦について考慮すると、少々物足りなくもある。とは言え、ブラントにとってはスターとして女優として結果を残したことに意味があり、今後ますます注目されるだろう。ちなみに待機作にはあの「メリー・ポピンズ」(64年)の続編が控えていて、間もなくクランクインになると思われる。

 『Middle School: The Worst Years of My Life』も原作があり、こちらはジェームズ・パターソンの児童小説の映画化になる。想像力を武器に厄介なことが多い学校生活を乗り切っていく少年レイフの日常が綴られる。シリーズ化もされた「グレッグのダメ日記」(10年)の線を狙った気配のある作品だが、評価はまずまずなもので、キッズ向け映画として及第点だろう。ウィットに富んだ笑いと伸び伸びした展開。誰しも覚えのある子どもの頃の日常がヴィヴィッドに綴られる。害のない健全な作りで、子どもたちに安心して見せられる一本とのこと。尤も、子どもたちがそういう安全に守られた物語に興味を示すかと言うと、そんなわけはなく、週末成績が僅か687万ドルに留まったことがそれを証明している。もちろん賞レースを目指した映画でもない。





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