栄光のランナー 1936ベルリン

栄光のランナー 1936ベルリン “Race”

監督:スティーヴン・ホプキンス
ヨーロッパ ドイツ 旅行
出演:ステファン・ジェームズ、ジェイソン・サダイキス、
   ジェレミー・アイアンズ、ウィリアム・ハート、カリス・ファン・ハウテン、
   シャニース・バントン、イーライ・ゴリー、デヴィッド・クロス、
   ジョナサン・ヒギンズ、トニー・カラン、アマンダ・クルー、
   バーナビー・メッチェラート、ヴラスタ・ヴラナ
スタジアム パスポート お土産
評価:★★




 野球界に風穴を開けたのがジャッキー・ロビンソンなら、陸上界に新風を呼んだのはジェシー・オーエンスだ。彼の存在なくしてカール・ルイスが伝説になることも、ウサイン・ボルトが天に向かってポーズをキメることもなかったかもしれない。オーエンスはベルリン・オリンピックで四つの金メダルを獲得する。

 1930年代半ばのアメリカは依然黒人差別が色濃く残り、ベルリン・オリンピックはナチスのプロパガンダ大会と化し人種差別があからさまだった。『栄光のランナー 1936ベルリン』の主人公であるオーエンスは、黒人差別はもちろん、オリンピックに出ればナチスの政策を肯定することになるという世論のプレッシャーを受けることになる。辛い。厳しい。吐きそう。

 スティーヴン・ホプキンスはそういう社会背景こそを第一に画を捕まえる。とりわけメイン会場となるオリンピアシュタディオンの異様な気配。アドルフ・ヒトラーが姿を現すことで画は完成する。脇にオリンピック担当相やドキュメンタリーを撮るレニ・リーフェンシュタール、オーエンスの実力を誰よりも認める幅跳びのライヴァル、或いはナチスとの談合によりかえって窮地を招く米国オリンピック委員会の会長を配しながら。つまり視点が彼方此方飛ぶ。オーエンスが意外なほど目立たない。

 オーエンスの奮闘する姿を借りて、人種差別の愚かさ、そして怪物が背後に立つベルリン・オリンピックの悍ましさを語るかのようだ。いや、選ぶべきアプローチはその逆だろう。哀しく、情けなく、怒れる社会背景の中で走るオーエンスこそ、見せるべきものではないか。ステファン・ジェームズが勿体ない。

 オーエンスは天才という扱いだ。ジェイソン・サダイキス演じる敏腕コーチと出会うときには既にランナーとしてほぼ完成されていて、そのままオリンピックに出ても金メダルを掻っ攫っただろう。人格的にも優れていて、唯一浮気騒動があるくらいで、後はもう、あからさまな差別を受けても怒りを前面に出さない。ずばり紳士。オーエンスを中心に置いた山が小さいのだ。

 試合場面のあまりのあっさり具合に驚く。一つ目の金メダルを獲る場面は瞬きする内に終わるし、残りの三つのメダル獲得に関してもオーエンスのアスリートとしての魅力に焦点が当てられていないのは明らか。作り手の善なる心・正義心に足をすくわれた感あり。まあ、白人(コーチ)のおかげで黒人(選手)が輝けたという無意識の優越感が全く聞こえないのは有り難いけれど…。





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