ジャングル・ブック

ジャングル・ブック “The Jungle Book”

監督:ジョン・ファヴロー

出演:ニール・セティ

声の出演:ビル・マーレイ、ベン・キングスレー、イドリス・エルバ、
   ルピタ・ニョンゴ、スカーレット・ヨハンソン、ジャンカルロ・エスポジト、
   クリストファー・ウォーケン、ギャリー・シャンドリング

評価:★★★★




 120年以上も前に書かれたラドヤード・キップリングの小説からモーグリが飛び出す。草木が鬱蒼と生い茂り、枯れ木や石がわんさか転がり、すぐ先がはっきりとは見えないジャングルを、モーグリが動物たちと共に駆ける。それだけが何と感動的なことだろう。

 ニール・セティの身体を借りたモーグリは、手足が細く、少年特有の凹凸に乏しい胴体。肌は傷が絶えなくても健康的な色で、髪は何故だか適度に長い。パンツ代わりとなるのは赤い布だろうか。好奇心に溢れた目が眩しいの何の。所作にどこかアニメーションっぽさが感じられるのも面白い。

 モーグリをヴァラエティに富んだ動物たちが取り囲む。指南役のクロヒョウ。母代わりのオオカミ。友達になるクマ。復讐心を燃やすトラ。幻術で惑わす大蛇。「赤い花」の力を借りて王国を作り上げようとする巨大ザル。それぞれの毛の質感や跳躍力に直結する筋肉の動きが気持ち良く、不自然さのないままに表情は極めて豊か。英語を使ってモーグリと話すことに当初覚えた違和感は、それにより瞬く間に消え失せる。

 表情豊かと言えば、大自然のそれもそうだ。場所毎に、時間毎に、天気毎に、自然の緑が、青が、茶色が、灰色が全く違って見える。同じ画が並べられない。動物も含め、ジャングルの全てがCGで作られているというのは、驚くべき事実だ。モーグリだけが実際にある肉体だという。

 コンピュータに物を言わせているのかと、あまり感心したくないところだけれど、何と言うか、そういうレヴェルにはない仕上がりではないか。聞かされなければ実写だと疑う方が無理な鮮やかさ。ただ、綺麗過ぎて現実ではないような気配はある。でも、それが童話の世界を決定づける効果を上げる。モーグリを守る大自然の温か味まで感じるというのは褒め過ぎか。

 いや実際、このCGの中にモーグリの肉体が決して埋もれていないのが、その証拠だろう。ジャングルは言わば、モーグリの相手役だ。その掛け合いに真実味が出なければ、『ジャングル・ブック』は嘘になる。ジョン・ファヴローはそのことに気づいている。モーグリはジャングルを味方につけ、そこに自分の居場所を確信するのだから。

 ジャングル中の動物たちが集まる水飲み場がある。そこでは弱肉強食の図式が一旦忘れられる。伸び伸びとジャングルを謳歌する動物たち。そこにモーグリがいても不自然さがない。物語の魂はここに宿っている。





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