ニュースの真相

ニュースの真相 “Truth”

監督:ジェームズ・ヴァンダービルト

出演:ケイト・ブランシェット、ロバート・レッドフォード、トファー・グレイス、
   エリザベス・モス、デニス・クエイド、ブルース・グリーンウッド、
   ステイシー・キーチ、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、
   デヴィッド・ライオンズ、ダーモット・マルロニー

評価:★★




 CBSの報道番組「60ミニッツ」のアンカーマン、ダン・ラザーの降板事件からもう10年以上経つのか。ラザーはジョージ・W・ブッシュ大統領の軍歴詐称報道の真偽が問題視されたことがきっかけで番組を去ることになった。『ニュースの真相』はその顛末を追う。ただし、ラザーの視点からではない。主人公はプロデューサー、メアリー・メイプスだ。

 メイプスは番組の責任者だ。プロデューサーと言うと現場には部下を走らせ己は呑気に茶でも啜っているイメージがあるものの(もちろん偏見)、メイプスはジャーナリストの頭という位置づけで良いだろう。信頼できる仲間を集め、題材を探し当て、徹底的に取材し、番組の編集にももちろん関与する。

 メイプスをケイト・ブランシェットが演じるものだから、小さな手がかりを基にブッシュの疑惑を暴き出す前半の格好良いこと。切れ長の目。的確な物言い。颯爽とした足取り。理想の上司を画にしたらこんな感じだろう。仕事に関して妥協を許さない、その佇まい。惚れ惚れするとはこのことだ。

 けれど、物語は後半にさらに熱を帯びる。ブランシェットも後半こそ演じたかったところだろう。即ち、証拠として放送した文書の偽造疑惑が浮上し、瞬く間にチームは窮地に陥る。メイプスも弱さを見せる。そして弱さこそ人間を形作る重要要素だ。

 メイプスは共和党支持者に、他局に、上層部に、そして何より自分自身に追い込まれる。ブランシェットが強く見えたメイプスの脆さと、そしてそれでも折れない(折れさせない)強さを鮮やかに表現。ただ、演出はこの部分に拘り過ぎたのか、メイプスの人物像に寄り過ぎて、真実云々にまつわるジャーナリズムの在り方からはズレを見せる。どこが間違っていたのか、それは曖昧にしたまま、メイプスの立ち位置をやけに気遣う。

 気遣うと言えば、ラザーの扱いもそうだ。やたら目周りの違和感が気になるロバート・レッドフォードに役を宛がいながら、メイプスの理解者以上の立場を崩さないのが拍子抜け。ラザー自身が自ら取材に積極的に関わることがないのも物足りないし、父親に恵まれなかったメイプスとの関係も都合良く処理された感。ここでのラザーはほとんど「被害者」だ。メイプスとラザーの綺麗事にまとめられない掛け合いを見たかった。まあ、これが事実だと言われたならば、仕方ないのか。





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