アルティメット・サイクロン

アルティメット・サイクロン “Life on the Line”

監督:デヴィッド・ハックル
電力会社 停電 災害救助 制服
出演:ジョン・トラヴォルタ、ケイト・ボスワース、デヴォン・サワ、
   ジュリー・ベンツ、ギル・べロウズ、ライアン・ロビンス、
   マット・ベルフルール、シャロン・ストーン
ヘルメット 電池 婚約 プロポーズ
評価:★




 冒頭に挿入されるインタヴューでラインマン(架線作業員)の定義について聞かれた男が、「絶体絶命のときに頼れるクソ野郎」と答える。おまけに邦題は『アルティメット・サイクロン』だ。クソ野郎たちが巨大サイクロンに立ち向かうディザスター物としか思えないものの、これはパニック映画ではない。架線作業員が身近にいる者たちの不安に包まれた日常を切り取る物語だ。

 ラインマンの仕事には危険が付きまとう。それは仕事中の死者数が少なくないことからも明らかだ。彼らは命を危険に晒しながら任務に当たる。電流の近くで仕事に当たるということはそういうことだ。それは理解できるものの、如何せんやることが地味なのは厳しいところ。その作業は映画的に映える画ではないと言い換えることも可能だ。

 ジョン・トラヴォルタ演じるラインマンがいかにして愛する姪の命を救うか。この興味・関心がクライマックスを引っ張る。ある展開があって命を失いかけている姪に対してトラヴォルタができることは何か。大停電の原因である漏電個所を修復することだった…って、いや、確かにそうなのだろうけれど、その間接的な救助方法が間抜けに見えると言っては失礼か。大体、本当にあんな力ずくの修復方法しかないのだろうか。相当の問題ではないか。

 それこそ思い切ってパニック映画として見せるべき題材だろう。作為に満ちた人間関係が長々語られるところからしてドラマ方向に舵が切られているものの、最善からほど遠い。参考にすべきは「イントゥ・ザ・ストーム」(14年)だ。登場人物が次々ピンチに遭うものの、それを知恵と勇気を武器にスピーディに乗り切っていく。B級映画の基本だ。

 代わりに力の入れられた人間模様の嘘臭さはほとんど犯罪的だ。トラヴォルタの兄夫婦を襲った過去の悲劇。姪に付きまとうストーカー男。関係がぎくしゃくする姪とその恋人。発覚する妊娠。恋人の荒れ果てた家庭。恋人の新しい職業。越してくる隣人夫婦を襲う危機。隣人男のイラクから帰った後の豹変。頭でっかちに捻り出されたことが丸分かりの人間関係は最終的に全て、ラインマンを讃えるためにある。終幕のストーカー男の思考回路など唖然とする。強引。ただただ強引。

 集められたキャストから物寂しさを感じるのは気のせいか。近年活動の場を狭くしている者たちが皆一緒にハリウッドを生き延びようと集まったような気配が濃厚だ。話の中心にいるトラヴォルタやケイト・ボスワースはまだ良い。美貌の崩壊が激しいデヴォン・サワや見せ場のないギル・べロウズは気の毒に映る。いや、でもシャロン・ストーンに比べたらマシか。サワの母親を演じるストーンは、荒んだ生活を送っているという設定もあって、ほとんど判別不能の容姿で登場する。そして見せ場がないばかりか、役柄への説得力もフォローもないままに役目を終えるのだ。ゲスト出演という体裁ではないだろうに、何故。せめてトラヴォルタと絡んで欲しかった。





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