ロスト・バケーション

ロスト・バケーション “The Shallows”

監督:ジャウマ・コレット=セラ
サーフィン バカンス 水着 傷の手当て
出演:ブレイク・ライヴリー、オスカー・ジャネーダ
包帯 医療 スノーボード スキー
評価:★★★




 人喰いザメと人間の戦い。どうしたってB級テイストになることを承知したジャウマ・コレット=セラは、計算の上による単純なプロットを人間の知恵で肉づけすることを選ぶ。人喰いザメが迷い込んだ海。美女サーファーが浜から200メートルのところにある岩場に避難、そこから脱出する様をタイトに描く。生き残れるか否か、それ以上のドラマを完全に排除したのが正解だ。

 干潮・満潮を意識した時間の経過。負傷した脚の手当て。一か八かのダイヴ。欲をかいた人間・忠告を無視した人間の行く末。同じく負傷したカモメとのささやかな交流。そしてサメとの決死の戦い。コレット=セラは全く過不足ない演出で、緩急のついたサスペンスを炙り出す。

 サメを見せ過ぎない演出が良い。サーファーが主人公の映画らしく波のトンネルができたところで、その向こうにサメのシルエットが映るという初登場場面から、なかなか想像力をかき立てる画が続く。最初の犠牲者が出る際、主人公の表情変化で全てを悟らせるのが巧いし、イルカよろしくサメがジャンプを見せる場面など、ケレンも効いている。もちろん後半のサメとの一騎打ちバトルでは出し惜しみはしない。

 海を舞台にすると画が単調になりがちだけれど、その点もクリア。人気のない浜辺。サメが自由に泳ぐ海。海に浮かぶクジラの遺体。潮の満ち引きにより頼もしくも頼りなくもなる岩場。起き上がりこぼしのように不安定に揺らめく灯浮標。ポイントとなる地点を的確に押さえた上で、女が実は医学生という設定を活かしたサヴァイヴァルが投入され(もう少しこの設定は膨らませて欲しかった)、クラゲを使った幻想的な海中場面、海底に向かってサメをおびき寄せる場面等、愉快なB級風味もふんだんに盛り込まれる。

 しかし、やはり『ロスト・バケーション』はブレイク・ライヴリーに尽きるのではないか。「ゴシップ・ガール」(07~12年)では東海岸の匂いの濃いグラマラスな魅力を振り撒いていたライヴリー。今回は西海岸的なスポーティな魅力で迫る。手足は圧倒的に長いものの豊満過ぎない肢体が、サメとの格闘により傷ついていく。それでも希望を決して捨てない様は、ほとんど女戦士の様相だ。

 健康的で、かつ嫌みのない身体は、海の上で通常よりも何倍も輝くものだ(ゲレンデでスキーやスノーボードの上手い男が格好良く見える法則に通じる)。コレット=セラは最初ライヴリーの身体を艶めかしく撮り上げていたものの、次第にその行動のクールな部分に焦点をずらしていく。そう、痛みを抱えながら、恐怖に怯えながら、それでも立ち上がる女の眼差しは、身体以上にセクシーに見えるという真実を知っているのに違いない。





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