アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅

アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅 “Alice Through the Looking Glass”

監督:ジェームズ・ボビン

出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、アン・ハサウェイ、
   ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン、
   リス・エヴァンス、マット・ルーカス、リンゼイ・ダンカン、レオ・ビル、
   ジェラルディン・ジェームズ、アンドリュー・スコット、
   リチャード・アーミテイジ、エド・スペリーアス

声の出演:アラン・リックマン、スティーヴン・フライ、マイケル・シーン、
   ティモシー・スポール、ポール・ホワイトハウス、
   バーバラ・ウィンザー、マット・ヴォーゲル

評価:★★




 「アリス・イン・ワンダーランド」(10年)の続編『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』で、ティム・バートンはジェームズ・ボビンに監督の座を譲っている。結構なことだ。一作目はバートンの才能の枯渇を決定づけるだけだったからだ(その後、「ビッグ・アイズ」で若干復活)。ところが、指揮がボビンに譲られても、受ける印象はちっとも変わらない。物語だって新しいものが用意されているのに、何故。バッグにディズニーがいるからか。

 何と大型帆船の船長となる大出世を遂げたアリスが、再び不思議の国へ迷い込む。現実社会を反映させながらも、非現実的な万物が溢れる世界。いかにも映画向きのはずなのに、どれだけ見たことのない空間が広がっても、ときめかない、心が高鳴らない、恋に落ちることがない。理由は明白。人工臭が強過ぎるのだ。

 例えば、話の鍵を握る巨大な時計を思い出せば良い。デジタルにはない温か味を感じさせるはずのアナログ仕様なのに、我々が普段手にすることで得られる直の良さがそこにはまるでない。視覚効果のせいだ。ある程度美術装置を作った上で撮影されているはずなのに、そこに破廉恥なほど大量の視覚効果が挿入されることで、その魅力が完全に消え去る。不思議の国は全てがそうだ。綺麗でも、つまらない絵画のような世界でしかない。「トランスフォーマー」(07年)もびっくり仰天。

 主人公のアリスを再演するミア・ワシコウスカはすっかり安定した演技ではあるものの、肝心の役柄に魅力がない煽りを受ける。ここで描かれるアリスは混乱の元凶と言って良い暴走機関車だ。本人は良かれと思ってしたことだろうに、それが全て裏目に出る。いや、ちょっと考えれば暴走が暴走だと分かるはずなのに。簡単に言うなら、アリスは苛立ちを誘う存在でしかない。

 鍵を握る時間の番人タイムを演じるサシャ・バロン・コーエンだけ取り出しても、作り手の役者への興味のなさは明白だ。立っているだけで唯一無二の個性が滲み出るコーエンを、アリスの暴走に困惑するだけのコスプレおじさんに貶めるとは…。唯一赤の女王役のヘレナ・ボナム=カーターには熱が感じられるものの、仕上がるのは前作同様バカ殿でしかないので、どうしようもない。この赤の女王を面白いと思う感覚が分からない。

 物語は時間の持つ意味を訴える。どんな者にも平等に流れる時間にどう向き合うべきか。言いたいことは分かっても、わざわざディズニーに得意気に教えてもらわなくても間に合っているというものだ。アニメーションではどん底から這い上がったディズニーなのに、実写でファンタジーに走るとどうして子どもを意識して雁字搦めになってしまうのか、謎だ。





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