あるメイドの密かな欲望

あるメイドの密かな欲望 “Journal d'une femme de chambre”

監督:ブノワ・ジャコー

出演:レア・セドゥー、ヴァンサン・ランドン、クロティルド・モレ、
   エルヴェ・ピエール、メロディ・バランベルク、パトリック・ダスンサオ

評価:★★★




 『あるメイドの密かな欲望』はオクターヴ・ミルボーの「小間使いの日記」の何度目かの映画化だ。これまでポーレット・ゴダードやジャンヌ・モローが演じてきたヒロインに扮するのはレア・セドゥー。もちろん最も重要なポイントだ。

 セドゥー演じる小間使いは人生に嫌気が差している。ブルジョワの屋敷に勤め、彼らの性的対象になったり、性悪な命令に従ったりする内、次第にその思いを強くしていく。彼女は恐れず口に出す。腹が立つ。うんざりよ。高慢ちきのクソ女。主人に聞こえたらどうするのかハラハラする佇まい。言いなりになんてなるものかの心象がセドゥーの不機嫌な表情にベストマッチ。

 ブルジョワの内情を描き出す前半は、よく見る光景だ。雇う側と雇われる側。金を持っている側と持っていない側。自由が利く側と利かない側。その境をはっきり意識した者たちが、人間のいやらしさを全開にする。弱い立場の者たちもそれを受け入れ、若しくはその中に安らぎを見出す恐ろしさもある。ただ、その批判的態度はありふれたもの。

 セドゥーはそれを良しとしない。型にハマらない自由さを、純真にも不純にも見える眼差しと物腰に滲ませる。口が悪いだけではなく、自由に羽ばたきたいという渇望に説得力を感じさせる。それが彼女の抱えるしたたかな怪物性と密着する瞬間こそが、見ものだ。

 …とここで重要なのは先輩の使用人であるヴァンサン・ランドンの存在だ。黙々と仕事をこなす謎の男。彼の抱える秘密が明らかになったとき、セドゥーが自分でも知らなかった己の別の一面を発見するのが面白い。物語上、セドゥーはランドンに恋をする。そればかりか、彼に支配されたいと思ってしまうのだ。

 もちろん時代を反映させた美術や衣装は見ものだ。中でもセドゥーのコスチュームは楽しい。小間使いでもユニフォーム姿で地味に通さない。コスチュームプレイにも難なく馴染むセドゥーで注目は、後れ毛の美しさだろうか。髪を結い上げたスタイルから仄かな色気を漂わせる。好色主人じゃなくても、その隙にドギマギすること必至だ。





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