レジェンド 狂気の美学

レジェンド 狂気の美学 “Legend”

監督:ブライアン・ヘルゲランド

出演:トム・ハーディ、エミリー・ブラウニング、デヴィッド・シューリス、
   タロン・エガートン、ダフィー、クリストファー・エクルストン、
   チャズ・パルミンテリ、ポール・ベタニー

評価:★★★




 双子が出てくる映画には警戒する。本物の双子が演じる分には問題ない。ただ、ひとりの役者が二役を演じるケースが大半で、その場合どれだけ最新の視覚効果を駆使しても違和感から逃れられない。物語に集中できないことすらある。『レジェンド 狂気の美学』でも、どうしても乗り切れないところがある。

 …のだけれど、これが次第に気にならなくなる。双子を演じるのが、只今絶好調男トム・ハーディゆえだ。ハーディが演じるのは60年代初頭のロンドンを意のままに支配する、実在した双子ギャングスター、クレイ兄弟だ。片方はメガネをかけているため瞬時に違いは判断できるものの、もしメガネがなくても混乱することはないだろう。喋り方や佇まいの差を出すのは当たり前。とりわけ感心するのは顔面筋肉の動かし方まで変えているところだ。そんな面倒臭いことをしながら、種類の異なるカリスマ性をそれぞれ醸し出すのも注目だ。

 双子はレジーとロン。レジーは頭が切れ、実業家としても秀でた面を持っている。一方ロンは病院に入っていたくらいに不安定な精神状態だ。いくらレジーが才を発揮しても、ロンは危険因子、兄弟の天下を瞬く間に揺るがせる。仲の良いふたりの男がいて、でも片方が足を引っ張る場合、大抵は関係に亀裂が入り、それをきっかけに悪夢が広がっていくものだ。この映画は悪夢で魅了する。

 それはもちろん、男ふたりが兄弟だからだ。それも双子だからだ。簡単に斬り捨てられない双子特有の繋がりが見える。クラブで大乱闘を交えた大喧嘩をしたふたりが、その後、血の乾かぬ内に互いの存在意義を確認する件など、この関係を象徴しているだろう。

 双子の関係を動かすのはギャング業やビジネス問題だけではない。レジーの愛したフランシスという名の女も大きな影響を与える。ロンはフランシスにあまり良い顔をしない。フランシスがいかにレジーを献身的に愛しても、だ。そう、ここにレジー、ロン、そしてフランシスの三角関係が浮上するのだ。愛が勝つか、兄弟の絆が物を言うか。そのバランスの危うさがサスペンスを生み出していく。

 ブライアン・ヘルゲランドの演出は淡白過ぎはしないか。長回しや写真や飴といった小道具の使い方は上手いものの、もうひとつ妖気不足の感がある。アクション場面において、高速の動きを見せるハーディを捉えることができる人だ。ヘルゲランドならば、さらにしつこく踏み込んだ毒々しさやいかがわしさを出せたのではないか。60年代カルチャーに寄り掛かり、少々ポップな面を前に押し出し過ぎた嫌いがある。





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