アウトバーン

アウトバーン “Collide”

監督:エラン・クリーヴィー

出演:ニコラス・ホルト、フェリシティ・ジョーンズ、マーワン・ケンザリ、
   ベン・キングスレー、アンソニー・ホプキンス、ナディア・ヒルカー

評価:★★★




 技が効いた映画ではない。静かな場面の編集は素人感丸出しだし、アクション場面で身を乗り出さずにはいられない動きが出てくるわけでもない。話も10秒で全てを説明できそうに単純だ。けれど『アウトバーン』は憎めない。下手だと思いつつ、妙に肩入れしたくなる。B級映画の命、勢いだけは負けないという、分かりやすい気迫に嘘がない。

 気迫を醸し出すのはもちろん、矢継ぎ早のアクションだ。緩急の「緩」を極力抑えて「急」を畳み掛けることでリズムを作っている。恐ろしいことに多分これは計算ではない。これを見せたいんだー、という場面を繋げただけで、でもそれが思いがけず気持ちの良いリズムを生んだ、偶然の賜物。

 次々出てくるカーチェイスシーンを思い出すと良い。悪漢との追いかけっこが基本で、どれもこれも同じような画ばかりなのに、その無謀さを燃料に、バカ映画に通じるユーモアが滲み出ている。

 それに主人公のニコラス・ホルトが良い。いよいよ「青年」になったホルトは、子役時代の優しい雰囲気はそのままに、その裏側に男の純情としたたかさを感じさせるようになった。アクション場面に映える肉体を手に入れたことも大きい。ボーズも似合っている(頭と顎のバランスが数年前に比べて格段に良くなった)。

 ホルトが悪事に手を染めるのは、内臓移植が必要なフェリシティ・ジョーンズの手術代を捻り出すためだ。ほとんど昭和の世界だけれど、ホルトのアイドル映画の側面が強いこの物語の中では、そんなに悪くない。「君は俺の全てだ。君を守りたいんだ」というセリフ。ホルト、ちゃんと似合うじゃないの。ジョーンズがアクションに全然貢献しないのは残念だけれど、ホルトとジョーンズのケミストリーは上々。ジョーンズのためならそりゃ、命を張るというものだ。ブロンドに変身したジョーンズは、一昔前のサラ・ミシェル・ゲラーみたいなんだけどサ。

 それから悪漢ふたりを演じるヴェテランふたりが可笑しいの何の。アンソニー・ホプキンスがホルトと対面する場面は怖過ぎて笑えるし、ベン・キングスレーが奇怪な動きでトリップする場面は脇腹をくすぐられ続けているみたい。ホプキンスとキングスレーが同じ画面に入る画、これは一体何なんだー。

 そうそう、ホルトが銃を決して握らないのは褒めて良い。人を殺すことなく逃げまくり、時に反撃する。この気遣いがあるのなら、後味を考えて一般庶民にも被害を出させないで欲しかった。ホルトの役を日本人俳優がやるなら染谷将太あたりでどうだろう…なんて思いながら呟く。





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