マネーモンスター

マネーモンスター “Money Monster”

監督:ジョディ・フォスター

出演:ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル、
   ドミニク・ウエスト、カトリーナ・バルフ、ジャンカルロ・エスポジト、
   クリストファー・デナム、レニー・ヴェニート

評価:★★




 『マネーモンスター』というタイトルは株の情報番組名から来ている。司会はジョージ・クルーニー。何でも娯楽として見せるアメリカらしく、この番組も情報をエンターテイメントとして提供することに徹しているようだ。クルーニーは番組中、お調子こいてダンスまで披露する。あまりの格好悪さに眩暈を覚える視聴者たち(でしょう?)。でもノー・プロブレム。クルーニーはこの後、立て篭もり犯の人質にされるのだ。ヘンテコダンスの罰に相応しい。

 手掛けたのがジョディ・フォスターというのは少々意外に思える。これまでの監督作では一貫して家族を取り上げてきたフォスターが、娯楽映画のど真ん中を突くのだから。クルーニーは果たして助かるだろうか…というシンプルなサスペンスを犯人の主張で飾り立てる。番組が流した偽情報により彼は全財産を失ったらしい。その裏側にちらつく悪事の究明も重要なポイントだ。

 魅力的な設定が用意されながら、いまいち弾けない理由はいくつもある。クルーニーがもうひとつ冴えないのはともかく、悪事の究明がTV局の外、緊迫の現場にいない者たちによってなされるため、分離した話を眺めている気分になるのはどうか。クルーニーにイヤフォン越しに協力するジュリア・ロバーツの言動が状況説明以上の意味をなさないのも苦しい。

 けれどいちばんの問題は、最初から立て篭もり犯に過剰に同情してしまうところにある。ジャック・オコンネルが可愛らしい顔で必死に訴えるのももちろん理由のひとつだ。しかし、最初は中立な立場に立たなければならないフォスターもまた、マネーゲームとそれを操ることで世間を振り回す輩(もちろん今という時代を映し出している)に対する嫌悪を微塵も隠さない。犯人は悪い。でも、彼をそこまで追い込んだ奴らはもっと悪い。…みたいな。

 いや、そんなことは映画以前に誰でも感じていることで、何もここで大声で叫ばなくても良いと思うのだ。このあたりはどんなときも生真面目さが抜け切れないフォスターの頭でっかちなところが如実に現れた格好だ。序盤にオコンネルが「6万ドルを失った」と言うと、クルーニーが「たったそれだけ?」と答える。これだけで済まして、後は二転三転する駆け引きの面白さで見せてくれた方が良かった。主張に柔軟性がない。

 それなのに、あぁ、フォスターは終幕やけに感傷的にもなる。犯人はもはや、完全に時代の犠牲者だ。その固執が物語の足腰を弱くすることに気づかない。せっかくスタジオを抜け出すのだ。サスペンスはいくらでも仕掛けられるだろう。それを忘れて本物のワルと哀れなワルをぶつけるだけだなんて、あまりにも勿体ないというものだ。





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