GAMER

GAMER “Gamer”

監督:マーク・ネヴェルダイン、ブライアン・テイラー

出演:ジェラルド・バトラー、マイケル・C・ホール、アンバー・ヴァレッタ、
   ローガン・ラーマン、テリー・クルーズ、アリソン・ローマン、
   ジョン・レグイザモ、ゾーイ・ベル、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、
   カイラ・セジウィック、ラムジー・ムーア、アーロン・ヨー

評価:★




 死刑囚が命懸けの戦いに挑むことになるのは「デス・レース」(08年)。巨大企業が世間をコントロールしている世界や、そこで支持されるゲームは「ローラーゲーム」(01年)を思い起こさせるところもある。人間が人間により遠隔操作される近未来が舞台になっているところに独創性を見出しているつもりなのだろうけれど、そのあまりにも貧困なアイデアを剥ぎ取ってしまえば、何のことはない、『GAMER』はただの二番煎じ映画である。

 SF世界の作り込みが曖昧なのは、バトル場面を眺めれば一目瞭然だ。囚人とプレイヤーがどういう繋がり方をしているのか、という極めて基本的な点が説明不足で、しかも映像として提示されるものと言ったら、囚人とプレイヤーを同時に画面に登場させるという工夫の欠片もないものなのだ。どうやってプレイヤーと囚人が出会い、どういう仕組みで操作し、どういう場合に操作が無効になるのか。ベースとなるものがあやふやゆえに、ちょっと基本線を外れただけで、何でもありの世界に突入してしまう。

 さらに言うと、操られている感のない、縛りの感じられない、囚人たちのアクションの繰り返しも酷い。プレイヤーの意思や囚人との意識のズレというサスペンスを作る軸となるべきものの一切が無視される。したがって、銃弾ばかりが消費される「ランボー」(82年)的な画しか映し出されない。物語の中ではこのシステムに対する批判がなされるものの、むしろ作り手は無情な殺し合いを楽しんでいるような気配すら感じられる。つい、作り手の精神状態を心配してしまうくらいだ。

 それにしても、撮影も編集も美術も音楽も、なんて幼いのだろう。闇雲に暴れるだけ暴れてストレスを発散させているような、実にあんぽんたんな感触しかない。自慰的安さが全編を支配、考えることを放棄して、本能だけで突き進んでいるような。いや、本能も大切なのだけど、それだけだと「人間」である価値を見失ってしまう。

 男らしさを勘違いしているとしか思えないジェラルド・バトラーには開いた口が塞がらない。作品選びが本当に疑問。「300<スリーハンドレッド>」(07年)後遺症と言って良いかもしれない。その一方で悪役を演じるマイケル・C・ホールにはちょっと感心した。実にくだらない役柄ではあるのだけれど、それでも得体の知れない不穏な空気を楽しげに発散していたからだ。身体の動き方に妖気が感じられ、眼差しに鋭利な力がある。突如踊り出すふざけたミュージカル調の場面でそれも極まる。役柄次第でかなり面白いことになりそうな役者だと思う。





blogram投票ボタン

ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ