デッドプール

デッドプール “Deadpool”

監督:ティム・ミラー

出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、
   T・J・ミラー、ジーナ・カラーノ、ブリアナ・ヒルデブランド、
   レスリー・アガムズ、カラン・ソーニ、ジェド・リース、スタン・リー

声の出演:ステファン・カピチッチ

評価:★★★




 人体実験で特殊能力を手に入れたヒーローが、けれど引き換えに顔が焼け爛れたことを恨み、手術を施した者に復讐を誓う。何だか仮面ライダーみたいだ。赤いマスクとラバースーツによるコスチュームは、スパイダーマンのバッタモンに見えなくもない。そんなからかいの言葉を本人に言ってみたら、きっと気の利いたジョークと共に大笑いを返してくるだろう。彼は理想や正義なんかに雁字搦めになってはいないのだ。その名を『デッドプール』と言う。

 ライアン・レイノルズ演じる「中の人」がそもそもふざけている。金次第で行動するフリーの傭兵で、口から飛び出す言葉の大半はジョーク。バーで見つけた美女を金で買って恋人に仕立て、プロポーズするときはケツ丸出しだ。特殊能力を手にしても善行に使おうなどとは僅かほどにも考えず、復讐こそが生き甲斐と来た。つまりこの映画は、いかに愉快にふざけるかに心を砕いている。

 下ネタなんて当たり前。善良な庶民に悪事をそそのかす。愛する人をストーカー。恨みに思う者たちには容赦ない鉄槌を下す。けれど、その合間には暢気に過去を振り返り、時には観客に語り掛けることもある。彼の言動で信じられるのは、愛する人への一途な想いだけだ。でも、それが良い。

 デッドプールのアクションは、だから格好良く締まりはしない。本人がそもそも格好良くキメようなんて思っていないからだ。けれど、華麗なる銃捌きや二刀流はさすがに魅せる。ヒップホップのノリが動きに取り入れられている印象だ。また、敵の散り方はなかなか残酷だ。身体を刀が貫き、頭に弾丸が穴をあける。首が明後日の方向に飛んでいくこともある。視覚効果に物を言わせた場面も少なくない。

 けれど、不思議と嫌な感触はほとんど残らない。スローモーションとクイックモーションによる処理やカット割りの工夫が随所に見られる他、ちゃんとアクロバティックな面白さで魅せようという心意気が感じられるからだ。それにやっぱり、デッドプールの実は純情なくせにどこまでもふざけた個性が、アクションにちゃんと溶けていることが大きい。

 デッドプールが意外に表情豊かなことに注目したい。マスクをつけてなお、彼の喜怒哀楽が手に取るように分かる。演じるライアン・レイノルズのセリフ回しのおかげもあるだろうけれど、同時に目の繊細な動きも素晴らしい。米粒型の白い目が、ギャグ漫画のように自在に動いている。デッドプールは映画の嘘をこれ以上なくらいに味方につけた存在でもあるのだろう。身体にはよろしくないジャンクフードと安いアルコールがたっぷり用意され、四六時中それらを飲み食いすることで別の世界にトリップ。『デッドプール』には不健康でもやみつきになるジャンクな魅力が詰まっている。





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