エンド・オブ・キングダム

エンド・オブ・キングダム “London Has Fallen”

監督:ババク・ナジャフィ

出演:ジェラルド・バトラー、アーロン・エッカート、モーガン・フリーマン、
   アロン・モニ・アブトゥブール、アンジェラ・バセット、ラダ・ミッチェル、
   ロバート・フォースター、ジャッキー・アール・ヘイリー、メリッサ・レオ、
   シャーロット・ライリー、ワリード・ズエイター、ショーン・オブライアン

評価:★




 英国首相の葬儀に各国のトップが集まる件。フランス、カナダ、イタリア、ドイツ、そして日本。大統領や首相が実に頼りないセキュリティの中を行き、案の定、事件に巻き込まれる。それぞれ場所は違う。同時多発テロなのだ。彼らが次々綺麗さっぱり命を落とす様に、映画と言えど唖然。もちろんアメリカ大統領はテロを生き延びる。ヘリコプターごと墜落してもへっちゃらさ。そればかりかシークレット・サーヴィスと共にテロの首謀者と対決する。

 「エンド・オブ・ホワイトハウス」(13年)ではホワイトハウスがズタボロになっていたものの、『エンド・オブ・キングダム』ではロンドンの彼方此方が崩れ落ちる。あまり見られない政治の中枢を見せることで個性を無理矢理捻り出していた前回と違い、今回は事件発生現場が次々移動するだけ。どこかで見たような風景が広がる印象だ。

 しかも不快さは倍増している。テロの手口の残虐さもさることながら、主人公のシークレット・サーヴィスが方々から襲い来る敵を手当たり次第に倒す。ライフル協会が歓喜の舞いを踊りそうな弾薬の消費量を見よ。でも銃で殺される者はラッキーだ。悪漢を甚振ることに快感を覚えるかのような技の連発は、どちらがテロリストかと混乱を誘うほど。物語のタカ派気質にゲンナリ。

 ジェラルド・バトラーはしかし、この主人公を嬉々として演じる。冒頭、退職届を書こうか書くまいか迷う場面があるものの、一切辞めるように見えないのが、いっそ潔い。少しぐらい大統領役のアーロン・エッカートに見せ場を分けてあげれば良いのに、そんな気遣いナッシング。殺しのライセンスを獲得した気分を崩さす、殺せる者は全て殺している印象だ。そして、こういう役が似合ってしまうのが、より問題だ。

 モーガン・フリーマン副大統領率いるホワイトハウス側の動きは全くの不要。フリーマンだけじゃなく、個性派・実力派で固められるものの一切有難味なし。フリーマンたちがテロリストたちと駆け引きを見せる場面すらないのだ。テロリストたちよ、ホワイトハウスを気になどかけずにバトラー捕獲に全力を注ぎなさい。愚かな悪人たちにアドヴァイスしたくなる人、続出と見る。

 物語の息の根を止めるのは、クライマックスに用意されるネット中継場面だ。テロリストは遂に捕えた大統領を巨大なナイフにより殺そうとする。そのときの大統領の凛とした態度から滲み出るのは、テロには屈しないという志だ。真に立派だけれど、同時に「アメリカこそ最強の国だ!」という叫びもまた醸し出されることを見逃すべきではない。これは自国大好きなアメリカがアメリカ万歳を掲げるために作った映画だ。つまりどこまでもバカバカしい。ドナルド・トランプは十中八九喜んで観ることだろう。





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