マクベス

マクベス “Macbeth”

監督:ジャスティン・カーゼル

出演:マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤール、
   パディ・コンシダイン、ショーン・ハリス、ジャック・レイナー、
   エリザベス・デビッキ、デヴィッド・シューリス

評価:★★




 目一杯身構えて挑んでも、ウィリアム・シェイクスピア劇には抵抗を覚えることがある。とりわけ悲劇。人間の業に深く斬り込んだ物語が過剰に崇められ、その世界が窮屈に感じられることが多いのだ。ジャスティン・カーゼルによる『マクベス』など、まさにこのパターン。立派な外観が恨めしい。

 話や登場人物はもちろん、極力原作から離れない。新解釈と称したシェイクスピア変化球ヴァージョンが多い昨今、カーゼルの狙いはシェイクスピアをシェイクスピアのまま見せることにあったのではないか。斯くしてマクベスは夫人に静かに操られながら、しかしいつしかそこから解き放たれ、その怪物性により自分自身を呑み込んでいく。

 仰々しい姿勢が全てのような空気。戦いの場面はスローモーションが入るわ、場面毎に画面の色合いが変わるわ、敢えて絢爛豪華な世界が拒絶されるわ、荘厳な音楽が鳴り続けるわ、当然シェイクスピアの言葉は美しいわ、でもそれが回りくどいわ…。あれこれ試されてはいるものの、想像力が抑え込まれているような印象だ。

 まあ、元々は戯曲なのだから仕方ないのか。そうは言っても、付きまとう舞台臭には閉口する。どれだけあの手この手で緩急をつけようとしても、そもそも堅苦しい姿勢が拙いのか、息苦しいばかりなり。屋外撮影に首を傾げる。大自然を背景にしながら、まるでセット撮影のような違和感。なんとなくシェイクスピアのセリフに雁字搦めになってしまった気配あり。

 マクベス役のマイケル・ファスベンダーがまた、その深刻顔を完璧にマクベスに似せるから、かえって悩ましい。心はサソリでいっぱいだと言う男の弱さを、傲慢な態度の中で自在に操る。当たり前のように多い独白。「スティーブ・ジョブズ」(15年)とは別の角度から見たファスベンダー ショーの趣。

 本来もっと面白いはずのマクベス夫人は、ファスベンダーの迫力に呑まれてしまったか。したたかに夫を思い通りに動かす怖さはあまり出ていない。むしろ被害者的側面が濃くなっている。マリオン・コティヤールのせいではないだろう。





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