プチ・ニコラ

プチ・ニコラ “Le petit Nicolas”

監督:ロラン・ティラール

出演:マキシム・ゴダール、ヴァレリー・ルメルシュ、カド・メラッド、
   サンドリーヌ・キベルラン、フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾン、
   ミシェル・デュショーソワ、ダニエル・プレヴォスト、
   ミシェル・ガラブリュ、アネモーネ、ルイーズ・ブルゴワン

評価:★★★




 原作についてはほとんど何も知らない。どんなキャラクターが出てくるのかも、どんな雰囲気なのかも、どんな物語なのかも知らない。ただ作品を観て思うのは、エピソード一つひとつの展開のさせ方が、とても四コマ漫画風だということだ。他愛ない日常風景の中に潜んでいる、ささやかな笑いと幸せを、楽しげに軽やかに掬い上げている。子ども目線で描かれるため、ちょっと懐かしい気分に浸ることもできるのも嬉しい。

 ニコラの毎日を眺めていると、1960年代おフランスの庶民の生活だとか(美術に注目)、子どもたちが作り上げる社会だとか、想像力を働かせる楽しさだとか、作り手が滑り込ませている計算が見えてくる。単純に笑えるだけの映画にはしない。呑気に見えてもおフランスの味は忘れていないということか。

 …なーんてことをつべこべ言う映画ではない。『プチ・ニコラ』はもう、ただただ「ニコラ、可愛いー!」とニヤニヤしていれば良いだけの映画だ。実際、ニコラが愛らしい。子どもだからとオシャレに気を抜かないのが、さすがおフランス。赤のベストにやや大きめのジャケット。短パン(もちろん膝上だ!)を履いて、ネクタイを締める。髪もすっきりセットして、ポッケに手を突っ込んでいる。これだけでホントもう、すごく愛らしい。演じるマキシム・ゴダールはふっくらしたホッペが柔らかなのがイイ。大きい目をキョロキョロさせて、口元から若干ヒネた味を漂わせている。彼が頬を緩ませて笑ったら、それだけで愉快な気分。ニコラの友達も個性的な面々が揃っていて、描き分けがしっかりなされている(彼らが紹介されるオープニングに胸躍る)。多分、彼らは今がいちばん可愛いときなのだ。10年後も美青年に成長しているかというと、それは疑わしい。可愛い子は大人になると残念な結果になるのが世の常。男の子の可愛さは10歳ぐらいをピークに下降していくものだし。だからの今このときに、彼らを愛でるのが正解だ。

 女の子たちの出番がほとんどなかったのは、ちょっと残念だった。ニコラが気になる女の子は登場するけれど、特別重要な意味合いはない。ひょっとすると続編用にとってあるのだろうか。おフランス少女のハイセンスな面白さをもっと描き出して欲しかった。そうそう、驚いたのは女の子たちと遊んだニコラが別れ際に、次々キスする(される?)場面。おフランスって、これがフツーなのか?それから先生役のサンドリーヌ・キベルランが見事に老け込んでいたのには驚愕。イザベル・アジャーニやエマニュエル・ベアール、ソフィー・マルソーらフランス女優は老けないと思い込んでいたので、目が覚めた思い。

 それにしても、上司を夕食に招くだけでてんやわんやの大騒動になる庶民ぶりが、日本のそれと大差なくて、微笑ましい。ニコラの勘違いもバカバカしくて良いじゃないの。おフランスだからと怖れることはないのだ。もちろん、オシャレっぷり以外は、である。

 そんなわけで、別によくできた映画でも重要な映画でもないけれど、なんだかホッとする愛らしい一編なのだった。





blogram投票ボタン

ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ