ニューヨーク・ギャングスター

ニューヨーク・ギャングスター “The Wannabe”

監督・出演:ニック・サンドウ

出演:ヴィンセント・ピアッツァ、パトリシア・アークェット、
   ヴィンチェンツォ・アマート、デヴィッド・ザヤス、ダグ・E・ダグ、
   ドメニク・ランバルドッツィ、マイケル・インペリオリ、ジョセフ・シラヴォ、
   ジョン・ヴェンティミリア、アドリアーナ・デメオ、ニール・ハフ、
   ダニエル・サウリ、スレイン

評価:★★



 日本では考えられないことだけれど、ニューヨークにはマフィアの五大ファミリーなるものがあり、一定数の彼らへの憧れが存在する。その中のひとつがガンビーノ一家で、80年代後半から90年代にかけてトップに立っていたのがジョン・ゴッティだ。『ニューヨーク・ギャングスター』の主人公トーマスは彼が逮捕され、まもなく始まる裁判の行方が気になって仕方がない。ゴッティはトーマスのアイドルなのだ。

 トーマスは何とかゴッティの役に立ちたいと無い知恵を振り絞る。もしゴッティを助けられたら、自分もファミリーに迎えられるかもしれない。このトーマスのキャラクターのスケールの小ささがバカバカしくもあり、可愛らしくもあるところだろう。どれだけ本気になってもなれもしない不良に憧れる中坊の域を出ない感じ。出会ったばかりの女とすぐさまベッドへ直行、急かし過ぎて「慌てないで」と言われてしまうのが似合い過ぎのチンピラ。

 トーマスを演じるヴィンセント・ピアッツァはもうひとつ個性が感じられず物足りないものの、年上の女ローズ役のパトリシア・アークェットがそれをカヴァーする。どすこい体型を豊満と言い包め、トーマスを陰影豊かに導く。「トゥルー・ロマンス」(93年)から22年、年下男を母性に似た何かで包み込む様、キマッている。

 ただし、ローズがイイオンナに見えるのはトーマスの目を通しているからで、彼女もまた褒められた人格でなければ、羨ましい人生を送っているわけでもない。これは青年がマフィアの世界に身を投げ込む物語ではなく、ちっぽけな魂が延び延びになった青春に決着をつける話として見た方が良い。ちょっと「俺たちに明日はない」(67年)を意識しているところもあるだろう。

 トーマスもローズも負け犬体質が身体に染みついている。どれだけ順調に事が運んでも、ほんの一瞬でそれが崩れてしまうことが見えてしまうふたり。その惨めな気配、哀れな空気、寂しい匂いこそが人の心を捉える。しみったれた魅力とでも言うか。そういうものを体質的に受け入れられない人にはイライラさせるふたりではないかと察する。

 後半、ある展開があって、トーマスとローズが強盗に走るしかなくなる様子はもう少し描き込んで欲しかった。ゴッティに当然のように有罪が下り、全てを見失ってしまうトーマスと、そんなダメ男から離れられないローズ。それが次々起こす強盗事件に巧く繋がらない。彼らの行動とガンビーノ一家を始めとするマフィアファミリーの動向が上手に絡まないストレスもある。





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