キス&キル

キス&キル “Killers”

監督:ロバート・ルケティック

出演:アシュトン・カッチャー、キャサリン・ハイグル、トム・セレック、
   キャサリン・オハラ、キャサリン・ウィニック、リサ・アン・ウォルター、
   ロブ・リグル、アレックス・ボースタイン、ケヴィン・サスマン

評価:★★




 心から愛し合っている男女が主人公。しかし、片方は相手に言えない秘密を抱えている。実は腕利きの殺し屋だったのだ!…という映画ではお馴染みのストーリー。最近だと「ナイト&デイ」(10年)がこのパターン。両方とも殺し屋である「Mr. & Mrs. スミス」(05年)のような変化球版も存在する。まあ、何にせよ、新鮮な設定でないことは確か。でも実は、それはたいしたことではない。この手の映画は大抵がスター映画仕様になっている。細部描写の面白さとスターの輝きで勝負!なのである。

 ところが『キス&キル』、まず細部描写に関してはたいしたところのない出来映え。「007」シリーズのパロディのような撮影と編集、そして音楽には失笑してしまうし、アクションにも独創性と呼べるものは見当たらない(単純に銃をぶっ放しているか、取っ組み合いをしているか)。命を狙われているふたりなのに、呑気気ままに楽しく逃げ回る。観ている方も、彼らが途中で死ぬわけはないと気楽に臨むものだから、余計にサスペンスは盛り上がらない。ロマンティック・コメディベースのアクション映画だからと、作り手も端から力を入れていないことが透けて見える。

 全力が注がれているのは、そう、主演スターふたりから魅力を引き出すことだ。男はアシュトン・カッチャー。「ゾルタン★星人」(00年)「ジャスト・マリッジ」(03年)等でちゃらんぽらん男を十八番にしてきたカッチャーだけれど、ここでは精悍なところを前面に押し出すことに成功している。半裸で女の前に登場する場面から、鍛え上げられたピカピカの肉体を存分にアピール、シックスパックと腹斜筋を見せびらかすのを忘れないのもスターらしくて良い。この羨ましい身体の上に乗っかっている、間違いなく女ウケする整った顔は、場面によってはトム・クルーズに見える。動作もキビキビ。デミ・ムーア姐さんの近年のベストワークは、間違いなくカッチャーを磨いたところにある。

 女はキャサリン・ハイグル。相変わらずのリッキー・マーティン顔で、ヘアスタイルをコロコロ変えるのが楽しい。前半のロングヘアはもちろん、後半ショートヘアにしても、様々なアレンジで飽きさせない。下ネタもサラリとかわすし、カッチャーとのバランスもイイ。ただ、身体を動かす場面では、若干下半身の重たさが気になった。まあ叫んでいるばかりで、ほとんど何もしないヒロインなのだけど、それこそ「ナイト&デイ」のキャメロン・ディアスみたいに弾けて欲しかった。

 それにしてもクライマックスは盛り上がりに欠けた。カッチャーに懸けられた2,000万ドルの懸賞金目当てに、刺客が次々やってくるものの、前半の伏線の張り方があまり巧くないので、ハッとさせられるところがないのだ。せめて黒幕とのバトルにもっとケレンを効かせるべきだ。それから、カッチャーの正体がハイグルにバレるまでがもたついているのも、語りのペースがおかしなことになっている証拠だろう。

 意外に良い味を出していたのはヘイグルの両親を演じたトム・セレックとキャサリン・オハラ。いつも可笑しいオハラはともかく、セレックまでもがちゃんと可笑しいのに驚く。こんな惚けた空気を発散させるとは。「スリーメン&ベビー」(87年)の頃にはなかった枯れた匂いが、悪くない。





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