クリミナル・ミッション

クリミナル・ミッション “Criminal Activities”

監督・出演:ジャッキー・アール・ヘイリー

出演:マイケル・ピット、ダン・スティーヴンス、ジョン・トラヴォルタ、
   クリストファー・アボット、ロブ・ブラウン、エディ・カテギ

評価:★★★




 大した度胸も知恵もないのに犯罪に手を出し、マフィアやら警察やらに目をつけられ、アッという間に窮地に陥る市井の人々を取り上げた犯罪劇は多い。『クリミナル・ミッション』では学生時代の仲間が久々に再開、一緒に株で大儲けしようとしたところ失敗、気がつけばマフィアから誘拐を手伝うよう強要される。まあ、ありがちと言えばありがちな話だ。

 …となれば見せ方が重要になる。ジャッキー・アール・ヘイリーもそれに気づいたのだろう。変に気取ることも深刻ぶることも拒否して、肩の凝らないエンタ-テイメントを目指す。多分意識したのはクエンティン・タランティーノ風の軽妙さではないか(耳を失いそうになる少年がそれを免れるエピソードなど、いかにも)。登場人物の関係に目を光らせ、念入りに伏線を仕込んでいく。

 まあ、タランティーノのように技が次々決まるわけではない。無駄話がそのまま伏線に見えるのはわざとらしいということだろうし、人物の出し入れやエピソードの繋ぎにも荒いところが目立つ。終幕にカルマを語るのはちょっとお説教っぽいかもしれない。何より事件の真相が読めてしまうのは拙いだろう。ただ、ここではそれら欠点が愛敬に見える。

 それはきっと押さえるべきポイントが押さえられているからだ。例えばマイケル・ピット、ダン・スティーヴンスら主人公四人の微妙なパワーバランス。彼らは一緒に犯罪を企てても仲良しこよしではない。どうやら学生時代の関係が後を引いている。彼らがふとした瞬間に素顔を覗かせるのも効果的だ。軽薄そうなピットが不意にこんなことを言って驚かせる。「女の心を掴むには、女を幸せにしないといけない」。

 また、犯罪がどうも締まらないのも愉快な味になっている。誘拐相手を監禁するときの画だけでも、堂々素顔を見せるわ、本名で呼ぶわ、個人情報を漏らすわ…とマヌケさが次々浮上。それに苛立ちを感じる向きもあるだろうけれど、むしろそれが憎めない。腹ごしらえでアイスクリームを買いに行く場面では、大の男たちがそれぞれが希望フレーヴァーを指定するのだ。

 キャスティングも良い。ピットが見せる表情変化やスティーヴンスの思いがけない配役も楽しいものの、やっぱりジョン・トラヴォルタが登場するとパッと華やかになる。いきなり正面からは映さない。車を降りて歩く後姿で引っ張り、音楽を派手に鳴らし、大スター降臨を高らかに宣言する。お直しの結果か、何だか蝋人形っぽい肌の質感や違和感たっぷりの生え際も、いかにもスターらしい。もちろんトラヴォルタは悪役演技はお手の物だ。トラヴォルタの愛嬌がそのまま映画の愛嬌と重なる。ヘイリーの狙い通りだろう。





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