ミニー・ゲッツの秘密

ミニー・ゲッツの秘密 “The Diary of a Teenage Girl”

監督:マリエル・ヘラー

出演:ベル・パウリー、アレクサンダー・スカルスガルド、
   クリステン・ウィグ、クリストファー・メローニ、オースティン・ライオン、
   アビー・ウェイト、マデリン・ウォーターズ、マルガリータ・レヴィエヴァ

評価:★★★




 大人でも子どもでもない少年少女が、「経験」を通して成長していくなんて話は、映画だけじゃなくどこにでも転がっている。『ミニー・ゲッツの秘密』のヒロインもやはり、アイデンティティーが確立されていない自分に対してもやもやを抱えている。てっとり早く成長するなら、やはり恋愛がいちばんかもしれない。ミニーもセックスを経験する。ただし、普通と違うのは、相手が母親の交際相手だからだ。

 当然親子ほど歳の離れた男だ。ヒッピー文化の匂いが微かに残る1976年のサンフランシスコでミニーは、自分から仕掛ける。見てくれだけが取り柄のダメ男はそれにあっさり乗る。ミニーも男も実に愚かしい。ミニーの姿は恋に恋する少女のようだ。自分に酔っているようにも見える。処女を失ったことで大人になったと喜ぶミニーは、カセットテープにその思いを吹き込む。

 未熟な思考、未熟な言動でも、形は違ってもいつしか誰もが通る道。映画はミニーを批評することなく、愚かさも含めてその躍動を伝えることに専念する。とりわけ印象的なのはミニーの絵が動き出す演出だ。手法は案外珍しいものでもないものの、その絵柄にグロテスクな味があるため、一見可愛らしい画面に生々しさや毒々しさが感じられる。爽やかさと奇怪さの同居が面白い。容姿に対するコンプレックスの表れか。

 ミニーを演じる阿部千代似のベル・パウリーは、所謂美人顔ではない。けれど、それがどこかえぐ味のある世界観に綺麗にフィットする。大きな目。切り揃えられた前髪。団子ヘアや三つ編み。ハイウエストのベルボトム。絞られていない未成熟の肢体。時折見せるサイコティックな表情など、なかなか魅せる。ミニーが男を無意識に弄んでいる感じすら抱かせる。

 恋に傷つき傷つけられ、人を傷つけ、人に傷つけられたミニーはようやく目が覚める。その後に街を彷徨うような流れはあまり感心しない。飛躍が過ぎると言うか、唐突感が拭えないと言うか。母親との関係を描写するためだったとしても違和感が残る。

 ダメ男を演じるアレクサンダー・スカルスガルドがやけにハマっている。少女を振り回しているようで、実際は彼女の掌で転がされているだけではないか。このままではダメだと別れを切り出しても、いつしかずるずると元通り。男の目線から見ると、立派にサイコスリラーとして成立しそうだ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ