バッド・ブロマンス

バッド・ブロマンス “The D Train”

監督:アンドリュー・モーゲル、ジャレッド・ポール

出演:ジャック・ブラック、ジェームズ・マースデン、キャスリーン・ハーン、
   マイク・ホワイト、ジェフリー・タンバー、ヘンリー・ジェブロフスキー、
   カイル・ボーンハイマー、コリーナ・ライオンズ、ダーモット・マルロニー

評価:★★★




 ジャック・ブラックが演じるのは同窓会の実行委員だ。出席の返事が芳しくないのに頭を悩ませる彼が目をつけるのが、CMに出ているのを見たかつての友人ジェームズ・マースデンだ。スターになった彼が来てくれれば、他の皆も来てくれるはずだ。同窓会特有の面倒臭く億劫な気配が早くも立ち上がる。けれど、物語はここから大きな逸脱を始める。

 意表を突くのはブラックとマースデンの関係性だ。『バッド・ブロマンス』なんて邦題がついているものの、いやいや、これはブロマンスなんてものを超えたそれだ。何しろブラックとマースデンはベッドを共にする。数秒とは言え、ブラックがマースデンに後ろから突かれるショットまであるのだ。マースデンは言う。俺はセクシャリティについて気にしないんだ。

 斯くして見せ場は、寝たことでぎこちなくなる男ふたりの関係にブラックがやきもきする様になる。一夜のことだと自分に言い聞かせつつも、その後何もないのがかえって気になるブラック。マースデンの言動のいちいちに浮かれたりイライラしたり。その表情は、多くの大人が忘れてしまった何かを思い起こさせる。ブラックがさすが芸達者なところを見せる。でも、ブラックのそういう表情、見たい!?

 すったもんだがあり導かれる結論はおとなしい。どうせならとことん同性愛映画にしても良いのに、あくまでそれは物事を考えるきっかけに過ぎず、偽りのない自分に辿り着くための旅の物語であることが示される。したがって後味は爽やかだし、不快さやわだかまりも綺麗に回収される。でも思ってしまう。ブラックなら、もっと毒々しく暑苦しくできるだろう。お行儀良くまとめる必要はないのではないか。

 ブラックの個性が最大限活かされるとは言い難いものの、その他のキャスティングがハマっている。C級スター役のマースデンのチープさや妻役のキャスリーン・ハーンの絶妙の間合いも愉快だけれど、ブラックの上司役のジェフリー・タンバーが背負う哀愁がとにかく良い。インターネットが苦手な昔ながらの男が、騙されているとも知らず、会社のためにと思い切って自分を奮い立たせる様、妙に沁みる。

 沁みると言えば、ブラックが14歳の息子と車の中で話す場面もそうだ。性の悩みを告白したばかりの息子の前で、思わずブラックが泣き出してしまうのだけれど、その痛みと可笑しみが一緒くたになった感じが、いかにもブラックだ。ブラックの本質はどれだけ破天荒に暴れても、ハートだけは本物だと感じさせてくれるところにある。毒々しさや暑苦しさが感じられないところに首を傾げつつ、そのハートだけはやっぱりブラックだと嬉しくなる。





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