新しい夫婦の見つけ方

新しい夫婦の見つけ方 “Digging for Fire”

監督:ジョー・スワンバーグ

出演:ローズマリー・デウィット、ジェイク・ジョンソン、オーランド・ブルーム、
   ブリー・ラーソン、サム・ロックウェル、マーク・バービグリア、
   サム・エリオット、アンナ・ケンドリック、クリス・メッシーナ、
   ジェーン・アダムス、ロン・リヴィングストン

評価:★★★




 知り合いから豪邸の留守を任された夫婦が、裏山から人骨らしきものや謎めいた銃を発見する。夫は本格的に死体探しを始める。「スタンド・バイ・ミー」(86年)の少年たちの死体探しはロマンティックだったものの、この夫婦は3歳の子どもがいる落ち着いたふたりだ。ロマンティックな気配の代わりに浮上するのは現実というヤツだ。

 『新しい夫婦の見つけ方』は、夫婦が一緒にいる場面は最初と最後のみ。後は別行動になる。夫は気の置けない仲間を邸に呼び死体探しに懸命になる。妻は夜遊びに出かけたバーで眉目良い男と知り合う。これはゴードンやクリスのように大冒険とは呼べないかもしれない。けれど、大人になるというのはこういうことなのだ。

 作り手は夫と妻の行動を比較する。日常とはちょっとずれた世界に身を置くふたりを眺め、どんな反応を見せるのか、観察する。ちょっとした研究発表の趣あり。幸せでないわけではないけれど、全てに満足しているわけではない。結婚生活にまつわるありがちな空気を丁寧に積み重ねていく。男と女では自分を解放させる術が異なるのがミソだ。

 セリフが捻られているし、人物の出し入れも(キャストの意外な豪華さもあって)愉快だ。変に沈んだ空気が流れることもなければ、不自然に陽気に走ることもない。あぁ、本当にすぐ傍らにありそうな、夫婦の風景が広がってく。もう少しで説教になりそうになると、ちゃんと節度良く切り上げられるのも有難い。

 ただ、そうして導き出される考察自体に目新しいものはない。男の方が僅かに子どもっぽく、女の方は常に現実が頭の片隅に置かれている。でもだからこそ上手くいく。豪邸に到着した当日の夫のジャージ姿や、遂に夫がある者を掘り起こしたときの反応など、細部の細やかな描写の方がずっと感じ入るものがある。

 俳優陣の中ではローズマリー・デウィットが断然良い。元々生活感のある女優だけれど、今回は中年女特有の色気を感じさせる佇まいだ。疲れを見事味方につけている。あからさまに肌を露出するわけでも卑猥な言葉を吐くわけでもない。生活の中にふとできる隙、そこに滲むものをデウィットは見逃さない。オーランド・ブルームが惹かれるのも無理はないと思わせる。





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