バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生

バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 “Batman v Superman: Dawn of Justice”

監督:ザック・スナイダー

出演:ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、
   ジェシー・アイゼンバーグ、ダイアン・レイン、ガル・ギャドット、
   ローレンス・フィッシュバーン、ジェレミー・アイアンズ、
   ホリー・ハンター、スクート・マクネイリー、カラン・マルヴェイ、
   TAO、ケヴィン・コスナー、マイケル・シャノン、
   エズラ・ミラー、ジェイソン・モモア

評価:★★




 やっぱりこうなるか。「マン・オブ・スティール」(13年)で予想以上に暗く悩ましい存在として描かれたスーパーマンの世界へ、不幸な生い立ちを持ちヒーローでありながら孤独から逃れられないバットマンが迷い込むのだ。『バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生』が陰鬱な世界観に支配されるのは予想できたことだ。それにしても…。

 それにしてもヒーロー映画とは思えない空気だ。画面の色合いからして常に沈んでいるし、相変わらず血を流して死んでいく人々の数が多い。前作におけるゾッド将軍との死闘の最中、多くの無関係の人々が死んでいったことを無視することなく新たなる苦悩の始まりとして描くのは誠実だけれど、スーパーマンは人間から堕ちたヒーロー扱いされ、バットマンも危険因子としてその怒りを隠さない。そしてその認識はクライマックスを迎えないと覆されない。

 二大ヒーローが常に眉間にしわを寄せ続ける様、そこにカタルシスはあるか。脳天気に悪漢をやっつけるだけでは物足りないことは確かだ。けれど、その苦悩に囚われるあまり、泥沼に足を取られたかのように自由に身動きできなくなるのは不幸以外の何物でもない。アイデンティティーや使命が枷となり、彼らは輝きを失う。簡単に言うなら、格好良いとはとても思えないのだ。憧れたくても憧れられないのだ。

 アクション場面を見れば一目瞭然だ。スーパーマンは高速スピードで場所を移動するか目から放つ光線で対象物を焼き尽くすばかり。バットマンはパソコンに向かっているか武器に頼るばかり。売りであるはずのスーパーマンとバットマンの戦いは、暗い性格同士の小競り合いにしか見えないではないか。この際、バットマンがやけに卑怯に見えるのはどうなのか。求められているのは、胸がすく痛快なアクションなのに。

 こうなると豪華俳優陣も無駄遣いにしか見えない。ただ、レックス・ルーサー役で登場するジェシー・アイゼンバーグは楽しそうに悪役を演じている(おそらく受けつけられない人も多いだろう)。いつもの超高速のセリフ回しにより、捻じれた価値観を言葉の爆弾へと変換、次々落としていく。所作にも独特の味がある。それからさほど出番は多くなく、それどころかその登場が物語を間延びさせているとは言え、ワンダーウーマン役のガル・ギャドットがフォトジェニックな魅力を発散させている。こんなにもアマゾネスなコスチュームが似合うとは…。

 ワンダーウーマンの登場も虚しく、何とそこまでするかと呆れる陰鬱な結末が待っている。まあ、次回作、或いは噂のDCコミックヒーロー結集映画でフォローされることが確実とは言え、こんなにも気分を落ち込ませる展開も珍しいのではないか。ザック・スナイダーよ、もしかして陰鬱であることがドラマティックだと勘違いしてはいないか。いっそ、スーパーマンもバットマンも、マーヴェルコミックの世界に参入してくれた方が幸せになれるだろう。





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