ストーン

ストーン “Stone”

監督:ジョン・カーラン

出演:ロバート・デ・ニーロ、エドワード・ノートン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、
   フランセス・コンロイ、エンヴェア・ジョカイ、ペッパー・ビンクリー

評価:★




 ロバート・デ・ニーロとエドワード・ノートンが共演するのは「スコア」(01年)以来となる。前回がポップコーンムービーだったからか、今回は演技力をを試される役柄で、火花を散らす。そう、『ストーン』はデ・ニーロとノートンによる演技合戦がいちばんの見所だ。もっと言うと、それ以外は何もない。

 演技的な見せ場が多いのは、断然ノートンだ。8年間に及ぶ服役生活はもう我慢の限界、仮釈放を猛烈に願っている男の意外な変貌を、ノートンができる限り抑えた演技で魅せていく。抑えてはいるけれど作り込んでもいて、細かく編み上げた髪と同じくらいに潰したかのような発声が強い印象を残す。昔のデ・ニーロがそうだったように、ノートンもまた役柄によってガラリと自分を変身させてしまうのが好きな役者であることは明らか。このタイプはハマったときの爆発力が凄まじい。

 デ・ニーロはというと、ノートンほどの熱はない。ただ、近年の出演作のように、お馴染みのデ・ニーロスマイルに頼るだけの、呑気な役作りではないのが救いだ。ノートンの力のこもった演技を受けるには、流して演技なんかできないのだろう。まあ、ミラ・ジョヴォヴィッチやフランセス・コンロイより面白味に欠けた役柄というのはどうなのかとも思うけれど。

 物語についていけなかったのは、軸となる部分に「神」の存在があるからだ。ここに出てくる人間たちは、神の掌の上で転がされている者ばかり。ほとんどギャグじゃないかと思えるほど劇的に心情を変化させながら、破滅へと突き進んでいく。特にノートンの役柄の変わりようにはたまげる。たった一冊の啓発本で、それもあんなに薄っぺらな本で、よくもまああんなに変わるものだ。急に人生の悟りを開いてしまうノートン。どれだけ熱演でも思わず苦笑。新手の宗教みたい。いや、宗教を皮肉な視線で見ていると言った方が正しいか。もっと信仰が傍にある環境で生活していたならば、感じ入るところが大きいのかもしれない。

 ところで、話の取っ掛かりには身を乗り出したのだ。これ以上の服役に耐えられないノートンが、外にいる妻のジョヴォヴィッチに仮釈放管理官のデ・ニーロに近づくように指示。ジョヴォヴィッチを使ってデ・ニーロを操ろうとする。期待するのは当然、頭の良い者同士の心理的駆け引き。ところが、どんな手を使ってデ・ニーロをコントロールするのかと思ったら、色仕掛け一辺倒というんだもの(ジョヴォヴィッチの乳首には色んな意味でビックリ)。刑務所の外で分かりやすい攻防が行われている最中、ノートンは突如信仰に目覚めてしまい、もう駆け引きなど興味ないようだ。終幕は登場人物のそれぞれがそれまでの人生を一変させるけれど、そこに辿り着くまでが、自己陶酔的で面白くない。映画に選んでもらえなかった者の戯言に過ぎないか。





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