ロンゲスト・ライド

ロンゲスト・ライド “The Longest Ride”

監督:ジョージ・ティルマン・ジュニア

出演:スコット・イーストウッド、ブリット・ロバートソン、アラン・アルダ、
   ジャック・ヒューストン、ウーナ・チャップリン、メリッサ・ブノワ、
   ロリータ・ダヴィドヴィッチ、エレア・オベロン

評価:★★★




 男はブルライダー(牛乗り)、女は芸術を愛する学生。初デートの当日、男が女を迎えに行く場面が可笑しいの何の。なんせホレ、男は今どき珍しい古風な男だから、ネルシャツとジーンズ、そしてテンガロンハットとロングブーツが基本スタイル。武骨な車に乗った男は、片手に花束。向かう先は女だらけの学生寮だ。女の友人たちは希少生物でも眺めるかのように男を品定め。愛しい女をパーフェクトに立てて出ていく彼を見送りながら、きゃあきゃあ騒ぐのだ。あぁ、これが女の基本的な夢のひとつか。

 ニコラス・スパークス映画は相変わらずベタだ。これはバカにされやすい要素だけれど、しかしいつもそうされるべきとは言えない。ベタも上手く見せることができれば、その快感を堪能することができるからだ。前述の場面などまさしくその例で、バカバカしいし安易だしチープだ。けれど、ベタを丁寧に描き込むことを恐れずやってのけるその姿勢が、不快さや呆れを取り除いていること、気に留めても良い。

 スパークス映画に不可欠なロマンティック・アイテムは今回もてんこ盛り。美しい南部の自然。手紙。礼拝。ダンス。戦争。乗馬。カントリーミュージック。ビューティフルなセックス。哀しい死。いやホント、挙げるだけで気恥ずかしくなるものの、作り手は見せる側がそれを恥じることだけはしてはいけないと気づいている。誠実さが媚薬になることも気づいている。もしかしたらそれだけがスパークス映画を魅せる術であることも。

 男の夢と女の夢のある場所が違う。『ロンゲスト・ライド』は男と女がそれをどう乗り越えていくかを描く。まあ、ロマンス映画の障害としてはありふれたものと言える。そこで用意されるのが、ある老人の若き日の恋模様だ。これが主人公男女にどう絡んでいくのか。愛は何かを犠牲にしなければならないことがある。けれど、犠牲を選んでまでも手に入れる価値のあるものだ。スパークスの声は揺るぎない。ベタを恐れない勇気。

 過去パートを演じるふたりは達者だし(やっぱりジャック・ヒューストンはくりぃむしちゅーの有田哲平に似ている)、ブリット・ロバートソンも「トゥモローランド」(15年)より大分良い。しかし、どうしても目が行くのはスコット・イーストウッドだろう。そう、彼はあのクリント・イーストウッドの息子だ。ガタイは良いし、古風なスタイルも似合う。演技が堅いのも、彼に限って言えば悪くない。

 確かにオヤジに似ている。似ているけれど、オヤジより大分スウィートだ。そう、いちばんの違いはオヤジが男の中で輝くタイプだったのに対し、息子は女と一緒にいても違和感がない。女が抱く理想の男として甘い一面を上手に操っている。少なくとも「マディソン郡の橋」(95年)にオヤジが出たときのようなすっとこどっこいな浮き具合はない。

 クライマックスのオークション会場場面の強引さに笑う。ロバートソンとイーストウッドに注がれる、あまりにも意表を突いた幸運。これには目が点。それまで丁寧に描かれてきたベタが、ご都合主義に流されてしまったような気配。まあ、スパークス映画にそんな細かいところまで求めるべきではないか。





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