オートマタ

オートマタ “Autómata”

監督:ガベ・イバニェス

出演:アントニオ・バンデラス、ディラン・マクダーモット、
   メラニー・グリフィス、ビアギッテ・ヨート・ソレンセン、
   ロバート・フォースター、ティム・マキナニー

声の出演:ハヴィエル・バルデム

評価:★★




 「2001年宇宙の旅」(68年)の時代から人工知能やらロボットやらは人間の脅威になることが多い。『オートマタ』でも人間の代わりにあらゆる仕事こなすロボット、オートマタに変異が起こる。人間には反抗しないようプログラムされていたはずが、勝手にそれが書き換えられていることが発覚する。斯くして始まるロボットの怪行動。一見「アイ,ロボット」(04年)の低予算ヴァージョン?しかし、ヒントは「猿の惑星」(68年)にあったのではないかと察する。

 ひとつはロボットのアイデンティティー問題への意識が強く感じられるからだ。人間たちに道具としてしか扱われず、それに不満を唱えず、けれど彼らの中の何かが確実に変貌していく。人はそれを受け入れられない。自分たちが支配者である立場を譲りたくない。

 こうした発想は昔からあるものだから、いかに推理劇仕立てに見せようと、驚きや興奮が引き出されることはない。教訓要素が前面に出て、鬱陶しく感じられるときすらある。妙に落ち着いた語りも陰鬱に映る。

 ならばそう、勝負すべきはヴィジュアルだろう。「スター・ウォーズ」(77年)のC-3POを思わせるレトロな匂いの濃いロボットの肖像。道具でしかないゆえか、美しいフォルムとは言えず、動きもぎこちない。むしろ気色悪く映ることの方が多い。狙いだろうと承知しつつ、ケレンに対してあまりに無自覚な画が並ぶと、気分が下がるのは致し方なし。

 これはすなわち、ロボットへの愛を感じないということだ。映画の中で描かれる世界で厄介者扱いされるロボットが、作り手の愛をも受けていない。そんな気配がある。作り手が嬉々として映し出すのは、ロボットによる華麗なるアクションではなく、残虐な人間の手により「命」を奪われる姿ばかりだ。

 灰色の世界に放り込まれ苦しみもがくのはロボットだけではない。目撃者となるアントニオ・バンデラスが活気を欠く。後半瀕死の状態に置かれることもあるけれど、全体の印象がジイサンっぽいのに驚愕。実は身体はさほど大きくないバンデラスだから、ラテンの血が身体の中で沸騰しないと、スケールが小さく見えるから要注意だ。B級臭ぷんぷんの威勢良い破天荒アクションでこそ、輝いて欲しいのに、あぁ…。





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