デイブレイカー

デイブレイカー “Daybreakers”

監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ

出演:イーサン・ホーク、ウィレム・デフォー、クラウディア・カーヴァン、
   マイケル・ドーマン、サム・ニール、イザベル・ルーカス

評価:★★




 ゾンビ映画が氾濫した結果、「ショーン・オブ・ザ・デッド」(04年)や「ゾンビランド」(09年)のような変化球版が登場した。それと同じように、空前のヴァンパイア映画ブームの真っ只中に登場したのが『デイブレイカー』だ。これまでのヴァンパイア映画になかったユニークな切り口により、掴みをものにする。

 そう、そのアイデアが全てのような映画だ。人間とヴァンパイアの数が逆転、人間は総人口の5%に過ぎず、それどころか絶滅の危機に瀕している世界が舞台。ヴァンパイアは人間を「飼育」し、代替血液の研究にも勤しんでいる。人間とヴァンパイアの立場を全く逆にすることで、これまでにない新鮮な空気をこのジャンルに吹き込むことに成功している。

 ここまで大胆不敵な設定にすると、その細部描写が重要になってくるのは当然だ。この社会では人間はどのような扱いを受けるのかという基本的は疑問はもちろん、ヴァンパイアの特性や生活背景、社会のルールの細かなところが気になってくる。そんなわけで上映時間の大半が、この世界観の説明に割かれていて、突っ込みを入れながらも飽きることはない。暗闇を青い色で表現したのも、目に有難い上に、スタイリッシュ。

 ただ、説明的な展開ゆえだろう、頭でっかちに考えた堅苦しさが前面に出ているのはどうなのか。セリフを聞いていれば、ヴァンパイア社会の現状は見えてくるものの、登場人物が胸に秘めているものは薄っぺらなままで、話がなかなか転がらない。もっと言うと官能性はゼロに等しい。本能的な部分に訴えるところがなく、人間の血液をめぐる研究(ヴァンパイアが吸血するための研究、ヴァンパイアから人間に戻るための研究等)が重要視されている。しかもその背後には金の匂いがちらつく。映画に何を求めているかにもよると思うけれど、もっと野性を刺激する必要があるのではないか。

 予想以上にインドアな作りではあるものの、アクションがないわけではない。中でもカーチェイス場面がちょっと面白い。ヴァンパイアは光を浴びることができないという点と銃弾を受ければ車に穴が開くという点を意識したサスペンス作りがユーモラス。クライマックスに代表されるように、ヴァンパイアの吸血場面はゾンビみたいで、全然感心しない。

 イーサン・ホークが久しぶりにすっきりした風貌で登場するのが嬉しい。ただ、カッコイイのはホークではなく、ウィレム・デフォーだ。元ヴァンパイアという設定が可笑しい(「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」(00年)の怪演を思い出してしまう)上に、妙に精悍。武器がクロスボウというのも気が効いている。なんとなく西部劇の匂いを感じてしまったのは、デフォーの佇まいによるところが大きいと思う。





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