ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります “5 Flights Up”

監督:リチャード・ロンクレイン

出演:モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン、シンシア・ニクソン、
   キャリー・プレストン、クレア・ヴァン・ダー・ブーム、
   コーリー・ジャクソン、マイケル・クリストファー、ジョシュ・パイス

評価:★★




 冒頭、モーガン・フリーマンが犬を連れてブルックリン、ベッドフォードを散歩する画が良い。フリーマンは嘆く。住み始めた40年前と較べて、街が随分変わってしまったことを。けれど、彼はこう付け加えるのだ。「変わるほどに愛しくなる」。うん、分かる気がする。住み慣れた場所とはそういうものだ。

 しかし、人生に応じてどんどん住処を変える方が楽しいとする人が多いのも事実のようで、まあ、この辺は価値観の違いだろう。『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』の夫婦はダイアン・キートンがアパートの売却に積極的で、フリーマンが気が乗らない風。物語の中心にその対立軸を通して見せるのかと思いきや、アパート内覧会が開かれる数日のドタバタを辿ったに過ぎない、芸ない作り。縁側でジイサンバアサンがお茶をすすりながら日向ぼっこしているような、暖かくても快感に欠ける画が並ぶ。

 落ち着く結論には、嫌な予感は最初からぷんぷん臭っていたけれど、呆れる。長い年月、苦楽を共にしてきた夫婦のちょっと良い話としてまとめるために、どれだけの人が迷惑したか。キートンの姪っ子にそれを代弁させてガス抜きしている場合ではない。ブルックリン橋のテロ騒ぎや老犬の急病も扱いが何と雑な。犬のヘルニア、そのアパートの階段が原因じゃないのか。

 キートンとフリーマンのカップルはあんまりお似合いに見えない。どちらも節度ある知性の人であることが一瞬で分かる。あぁ、きっと穏やかなふたりだ。…なんて書くと相性良しに聞こえるものの、いやいや、言い換えるなら刺激不足のふたりということだ。

 効果的に挿入されない過去エピソードに出てくる無名の若手ふたりの方が、まだ魅せる。コーリー・ジャクソン演じる若き日のフリーマンの、泰然自若とした雰囲気が楽しいからだ。若いのに何故そんなに落ち着いているのかと尋ねたくなる佇まい。身体の中に静かで深く果てしない湖でも広がっていそうだ。

 シンシア・ニクソンの登場は嬉しい。ほとんどTVシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」(98~04年)のミランダそのまんまの忙しないキャラクターで、片時もスマートフォンを話すことなくきびきび早口で行動。きっぱりした物言いが気持ち良くて可笑しい。コメディができる人は眺めが良いと改めて思う。





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