ディーン、君がいた瞬間

ディーン、君がいた瞬間 “Life”

監督:アントン・コービン

出演:デイン・デハーン、ロバート・パティンソン、ジョエル・エドガートン、
   アレッサンドラ・マストロナルディ、ベン・キングスレー、
   ローレン・ギャラガー、マイケル・ルーカス、マイケル・テリュー、
   ケイトリン・スチュワート、ケリー・マクレアリー

評価:★★




 アントン・コービンは元々写真家だ。おそらく彼は数少ないジェームズ・ディーンのポートレートを見て想像を巡らせたはずだ。存在そのものが芸術だったディーン。この写真はどういう状況で、ディーンはどんなことを考えていて、そしてカメラマンはまた被写体に何を見ていたのだろう。

 『ディーン、君がいた瞬間』は「エデンの東」(55年)公開の数日前、LIFE誌に数ページに渡って掲載されたディーンの写真を撮ったデニス・ストックとディーンの関係を描く。コービンが撮る画には、意識的なのか無意識の結果なのか、写真を思わせるカットがいくつも出てくる。ドキリとする構図、意表を突く背景、余白の主張、美術の配置、色っぽい照明。写真が動いている、そんな印象すらある。

 取材される側とする側の話に焦点を当てるのは「人生はローリングストーン」(15年)と全く同じだ。しかし、あちらほど肉体の中に広がる宇宙に踏み込んだ考察はなされない。大スターに駆け上がる前夜のディーンは不安と未熟さの混合体ではあっても煌めきは感じられず、野心はあっても殻を破れないストックはディーンのこと以上に仕事と家庭の両立にため息をつきがちだ。

 コービンはディーンよりむしろ、ストックにシンパシーを寄せる。きっとそれは己がカメラマンであることと無関係ではない。日頃の己が、もしくは若き日の己が抱くもやもやにこだわる。けれど、そちらに重きが置かれる分、ディーンは勝手気ままなわがまま青年以上の気配を漂わせることがない。

 そもそもディーンを役者に演じさせようとすること自体が間違いだったのかもしれない。デイン・デハーンはディーンの仕草や喋りを研究したには違いないけれど、やはり違う。まるで違う。対象の最大公約数的イメージが分厚い分、モノマネにすら見えないという大惨敗。体重を増やして外見を似せにかかった分だけ、シルエットが肥満スレスレになったのも厳しい。どちらかと言うと、似ているのはベニチオ・デル・トロだと思う。

 エンドクレジット前には実際にストックが撮ったディーンの写真が映し出される。衝撃的だ。2時間近くかけて描かれた三次元のディーンの肖像よりも、二次元ののディーンの方が圧倒的にドラマを語る。詳細の説明がない分、想像が果てしなく広がる。これが写真の力か。コービンがディーンを撮ったらどうなっただろう。ふと頭をかすめる。





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