イット・フォローズ

イット・フォローズ “It Follows”

監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル

出演:マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾヴァット、
   ジェイク・ウィアリー、オリヴィア・ルッカルディ、リリー・セーペ

評価:★★★




 「それ」はどこまでもついてくる。しつこくついてくる。殺すまでついてくる。昼夜問わず、都合構わず、全裸の老婆から巨人まで様々な容姿に化けてついてくる。助かるには誰かとセックスして、「何か」をセックス相手に移さなければならない。ん?何だか日本の貞子と仲良くなれそうな「それ」である。

 …というわけで『イット・フォローズ』に用意された設定はキワモノ色いっぱいだ。ヒロインは助かるために好きでもない男たちと次々寝るし、そもそもがセックスが原因でターゲットになる。単に「性」にだらしない女に見える危険が溢れる。

 ただ、マイカ・モンローの鍛えられ過ぎてはいない肢体は、性の匂いをまとっても、臭くはならない。それでも扇情的な空気を引き寄せ、狙われることで魅力的であり続ける。クロエ・セヴィニーのモード感とブリタニー・マーフィのはすっぱ感を併せ持ち、顔立ちはダコタ・ファニングに近い。モンローがアイメイクをぐちゃぐちゃにしながら逃げる様は、それだけで楽しい。薄着だしね。

 それに洗練されているとは言い難い演出が題材に合っている。ゾンビのように襲い来る「それ」のスピードは鈍く、しかし狙われている本人以外には見えないという、シンプル過ぎる特徴を、余計な飾りを排除することで(さり気なく意思的な撮影、親切な音楽ぐらいか)、「志村、後ろ後ろ!」に通じる恐怖(&笑い)を創り出している。これが手慣れた演出だった場合、チープな良さを楽しめない。「それ」の扮装もあざとく見えるだけだろう。

 舞台はデトロイトだ。寂れ方が映画的という意味で、とても良い。もしかしたら「それ」は街で散っていった無念の魂の集合体ではないかと思うほどに。どこまでもいつまでも何度振り払ってもついてくる亡霊。そりゃ簡単には逃げ切れない。

 若者が主人公の映画らしく、青春要素もある。とりわけヒロインに想いを寄せる内向的な少年の眼差しが良い味。好きな女の子が生きるために他の男と寝ていくのだ。でも、自分に自信のない彼は、それをじっと見つめるだけ。モンローの小悪魔的愛らしさが効いている。

 「それ」の殺し方はもう少しじっくり見たかった。冒頭の奇怪な死体と中程に用意されたある人物の死に様が、上手く結びつかない。まあ、想像した方が面白いとも言えるか。





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