BEST 2015

2015年 BEST10


1. マッドマックス 怒りのデス・ロード “Mad Max: Fury Road”
 監督:ジョージ・ミラー
 出演:トム・ハーディ、シャーリズ・セロン、ニコラス・ホルト
 生身の肉体とそれが生み出すアクションが狂気により串刺しにされる。本物へのこだわりが唯一無二のカタルシスを生む。

2. セッション “Whiplash”
 監督:デイミアン・チャゼル
 出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ
 全てを賭ける男たちの本気の戦い。ドラムに叩きつけられる魂がほとんどホラーの様相なのに驚愕。クライマックス、圧巻。

3. 名もなき塀の中の王 “Starred Up”
 監督:デヴィッド・マッケンジー
 出演:ジャック・オコンネル、ベン・メンデルソーン、ルパート・フレンド
 人を攻撃することでしか自分の存在を確認できない未熟な魂の成長が見逃されない。父親との関係も極めてデリケート。

4. はじまりのうた “Begin Again”
 監督:ジョン・カーニー
 出演:キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、アダム・レヴィーン
 人間愛に寄り添った音楽という芸術へのラヴレター。主演女優の歌声が飾らない街の中に溶けていく気持ち良さよ…。

5. ストレイト・アウタ・コンプトン “Straight Outta Compton”
 監督:F・ゲイリー・グレイ
 出演:オシェア・ジャクソン・ジュニア、コリー・ホーキンス、ジェイソン・ミッチェル
 N.W.A.の伝記に終わらないエナジーよ。その源となる怒りに説得力があり、血の気の多い本物のライヴパフォーマンス!

6. ナイトクローラー “Nightcrawler”
 監督:ダン・ギルロイ
 出演:ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ、リズ・アーメド、ビル・パクストン
 ロサンゼルスの夜に解き放たれたナイトクローラーが自らを輝かせる生態が悍ましくも可笑しい。完成する王国に戦慄。

7. クリード チャンプを継ぐ男 “Creed”
 監督:ライアン・クーグラー
 出演:マイケル・B・ジョーダン、シルヴェスター・スタローン、テッサ・トンプソン
 シリーズの精神を力強く受け継ぎ、シンプルにしてリッチなドラマが展開。若い肉体とそれを受ける枯れた肉体に痺れる。

8. シンデレラ “Cinderella”
 監督:ケネス・ブラナー
 出演:リリー・ジェームズ、ケイト・ブランシェット、リチャード・マッデン
 オールドファッションの魅力を最大限に引き出す心地良さ。水色のパワーに引っ張られ、シンデレラが生き生き可憐に輝く。

9. プリデスティネーション “Predestination”
 監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
 出演:イーサン・ホーク、セーラ・スヌーク、ノア・テイラー
 全ての粒子が巡り巡って時を形成。科学的な部分を遥かに超えたところにある、非情の鐘が暗く、高らかに鳴り響く快感。

10. アメリカン・スナイパー “American Sniper”
 監督:クリント・イーストウッド
 出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー
 ヒロイズムが入り込む隙を与えない現実が兵士の心と身体をバラバラに砕く。矛盾だらけの世界に生きる意味を考える。

次点. インヒアレント・ヴァイス “Inherent Vice”
 監督:ポール・トーマス・アンダーソン
 出演:ホアキン・フェニックス、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン
 話の筋を作品の軸に重ねない大技。ネオンが下品スレスレに輝く、猥雑で、いかがわしく、空虚な70年代の細部が放つ力。



■その他のBEST10選考作品
『ドラフト・デイ』『フォックスキャッチャー』『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『インサイド・ヘッド』『アントマン』『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』



◆BEST ACTOR
 マイケル・キートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
 トム・ハーディ(オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分)
 マッツ・ミケルセン(悪党に粛清を)
★ジェイク・ギレンホール(ナイトクローラー)
 ジャック・オコンネル(名もなき塀の中の王)

 『ナイトクローラー』のギレンホールの形相が忘れられない。赤い車を猛スピードで転がし、犯罪現場では迷いなく倫理を踏み越え、それにより手にした力を冷徹に操り、気がつけば自分の王国を築き上げている。その悍ましさを恐れることなく身にまとう。一切の同情を拒否するそのぎょろりとした目、この世に降り立った怪物の更なる快進撃を予感せずにはいられない。


◆BEST ACTRESS
 フェリシティ・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー)
 キーラ・ナイトレイ(はじまりのうた)
★シャーリズ・セロン(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
 リース・ウィザースプーン(わたしに会うまでの1600キロ)
 シャイリーン・ウッドリー(きっと、星のせいじゃない。)

 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の主役はセロン演じるフィリオサだ。そう、作品は究極のフェミニズム映画に仕立て上げられている。セロンは女と男の違いをはっきり認識し、それゆえの権利の獲得を目指して戦う。その姿があまりにもカッコイイ。セロンは美貌を崩して挑んだ殺人鬼役ではなく、宿命に果敢に立ち向かう戦士として映画史に残る。何ともめでたいことではないか。


◆BEST SUPPORTING ACTOR
 ポール・ダノ(ラブ&マーシー 終わらないメロディー)
 ニコラス・ホルト(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
 マーク・ラファロ(はじまりのうた)
 J・K・シモンズ(セッション)
★シルヴェスター・スタローン(クリード チャンプを継ぐ男)

 まさかここに来て、スタローンがこんな演技を見せるとは誰が想像しただろう。ロッキー・バルモアと共に映画界に現れた男が、バルモアと共に再起を実現する。それだけでもドラマティックなことだが、その全身から滲み出る、浮き沈みを経験してきた者にしか決して醸し出すことのできない哀愁よ。自己再生産に縋るしかなくからかわれ続けた時代は無駄ではなかった。奇跡のカムバック、Congratulations!


◆BEST SUPPORTING ACTRESS
 エリザベス・バンクス(ラブ&マーシー 終わらないメロディー)
 ローズ・バーン(ネイバーズ)
★レベッカ・ファーガソン(ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション)
 レネ・ルッソ(ナイトクローラー)
 レア・セドゥー(007/スペクター)

 あのトム・クルーズに負けない存在感を見せる女優が現れるとは驚きだ。手足が長くスタイルが良く、アクションに大いに映える肢体。ドレスアップするとゴージャスを極める華。色気はあっても媚びない匂い。ヨーロッパ出身ならではの落ち着いた気配。つまりインディペンデントな女のカッコ良さを体現している。快進撃は始まったばかりだと見る。これからの作品選びに注目したい人だ。


◆BEST BREAKTHROUGH ACTOR
 タロン・エガートン(戦場からのラブレター)
★コリー・ホーキンスオシェア・ジャクソン・ジュニアジェイソン・ミッチェル(ストレイト・アウタ・コンプトン)
 ナット・ウルフ(きっと、星のせいじゃない。)

 ホーキンス、ジャクソン・ジュニア、ミッチェルのパフォーマンスには興奮した。身体全体から滲み出る、生活と密着したパッションが本物の高揚を誘う。誰が欠けても成立しなかった。最高の若手アンサンブルだ。


◆BEST BREAKTHROUGH ACTRESS
★リリー・ジェームズ(シンデレラ)
 デイジー・リドリー(スター・ウォーズ/フォースの覚醒)
 キャサリン・ウォーターストン(インヒアレント・ヴァイス)

 容姿と才能に恵まれた新星登場の瞬間を眺めるのは楽しい。大抵の場合、彼らの背後が本当にキラキラ光って見える。例えばジェームズ。スターにしか許されない輝きに包まれ、まさしく彼女はシンデレラでしかなかった。




【2015年BEST10をふりかえって】
 本当は他の人が選ばないような映画をトップに置きたい。だから『マッドマックス 怒りのデス・ロード』以外から頂点に相応しい映画を探してみたのだけれど、あぁ、しっくりするものが見つからない。『セッション』にしようかとも思いもしたものの、いやいや、『怒りのデス・ロード』との差はかなり大きい。それぐらい『怒りのデス・ロード』はぶっちぎりで面白かった。トップ2に共通するのは華麗なる編集の技だということも注目したい。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ