妊娠宣言!? ハリウッド式OLウォーズ

妊娠宣言!? ハリウッド式OLウォーズ “Labor Pains”

監督:ララ・シャピロ

出演:リンジー・ローハン、ルーク・カービー、クリス・パーネル、
   アーロン・ヨー、ブリジット・メンドラー、トレイシー・エリス・ロス、
   シェリル・ハインズ、ボニー・ソマーヴィル、
   アナ・オーティス、ジャニーン・ガラファロ

評価:★★




 例えばの話。リンジー・ローハンが完全に映画界から消え去ってしまったとしても、ファンは別にして、心から嘆き哀しむ人は少ないだろう。毎日のように垂れ流される醜聞の数々に飽き飽きしている人が大半のはずで、今から復活するにはダーティな匂いがキツ過ぎる。ローハンが抱えているのはひとつやふたつの笑い飛ばせるスキャンダルなんかではない。ただ、個人的にはちょっと惜しいと思うところはある。快作「フォーチュン・クッキー」(03年)と傑作「ミーン・ガールズ」(04年)の主演女優として溌剌としていたのが懐かしい。あの頃を思い出しては、今の凋落ぶりにハリウッドの恐ろしさを感じる。

 『妊娠宣言!? ハリウッド式OLウォーズ』でローハンが演じているのは、今のダーティイメージを引きずったような役柄。出版会社で秘書の仕事を務めているものの遅刻の常連、仕事への熱意はなく、暇があれば上司の悪口に忙しい。クビを宣告されると、妊娠中であると嘘をついて、それを撤回させる図太さも持っている。これをセルフパロディと呼ぶには、悪い意味でハマり過ぎだろう。何と言うか、顔に女優業へのやる気が見られない。覇気がないと言い換えた方が的確かもしれない。目が虚ろなのだ。

 ただ、ローハンが演技勘が良いということは、紛れもない事実だ。表情の作り方も間の取り方も台詞回しも、覇気がない割りに、極自然にさらりとやってのけている。コメディ向きの演技センスの持ち主。これをこのまま腐らせてしまうのは勿体無いような。

 ヒロインが妊娠中だという嘘をつく、この設定が良くない。元々高くなかった好感度が、これにより完全に地に落ちる。作り手はそれを無視して、嘘から生まれる笑いを強引に魅せようとしている。妊娠を知ると態度を変える周りの人々への皮肉な視線はなく、表面的な笑いの羅列。不純な動機が段々ホンモノのやる気に繋がっていくという「キューティ・ブロンド」(01年)的展開は、酷くテキトーに流される。映画全体の印象も大変雑。

 唯一面白かったのは、妊婦のフリをしていたローハンが、その演技にのめり込んでいくところ。人生の充実が彼女の思い込みを強固なものにする。ローハンの現在の危険な印象が、役柄にリンクして、ブラックな味わいが醸し出されていた。この点を大きく膨らませて毒入りコメディとして描き出したなら、案外イケるのではないか。ほとんど引っ張ることなく、あっさり処理されてしまったのが残念。

 ヒロインの相手役のルーク・カービーが全く魅力的でないのは、今のローハンを象徴しているのだろうか。ジャスティン・バーサとかコリン・ハンクスとか、優しい雰囲気の青年スターぐらい配してあげれば良いのに。隣人役でTVシリーズ「アグリー・ベティ」のアナ・オーティスが不意打ちで出てきたのはちょっと嬉しかったけど。





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