スター・ウォーズ/フォースの覚醒

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 “Star Wars: The Force Awakens”

監督:J・J・エイブラムス

出演:デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、アダム・ドライヴァー、
   オスカー・アイザック、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、
   マーク・ハミル、ドーナル・グリーソン、ルピタ・ニョンゴ、
   アンディ・サーキス、グウェンドリン・クリスティー、
   アンソニー・ダニエルズ、ケニー・ベイカー、
   ピーター・メイヒュー、マックス・フォン・シドー、
   フランク・オズ、ユアン・マクレガー

評価:★★★




 今更言っても仕方のないことだけれど、ジョージ・ルーカスは前三部作(99、02、05年)を手掛けるべきではなかった。壮大なる「スター・ウォーズ」の世界の生みの親には違いないものの、我が子はあまりにも巨大に成長してしまった。それこそ親の目が行き届かないほどに。いや、親だからこそ我が子がよく見えないのか。子というものは親の手を離れて思いがけない表情を見せるのが常だ。それなのにルーカスは、子を己の知る空間に閉じ込めた。結果、前三部作は理想とはかけ離れた、あまりにも子どもっぽい内容になった。

 ではどんな人物が「スター・ウォーズ」の世界を再構築すれば良いのか。新章に突入する『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』はひとつの答えだろう。J・J・エイブラムスは所謂「スター・ウォーズ」オタクなのではないか。「スター・ウォーズ」はオタクと共に成長したと言っても過言ではなく、オタクの作品に向ける情熱は、もはやルーカスの遥かに上を行く。彼らは自分たちが観たいものを知っている。

 問題はオタクゆえに都合の良い話になってしまう危険があることだ。しかし、そこはエイブラムスはプロフェッショナルだ。その世界観を大切にした上で新キャラクターを生き生きと泳がせる。かと言って、旧キャラクターへの敬意も忘れない。宇宙空間ならではのダイナミックな空中戦、巨大スペースシップ内での攻防、ライトセーバーがぶつかり合うチャンバラ等、これぞ「スター・ウォーズ」的画面が次々押し寄せる。ママゴト要素はほぼないに等しい。

 ただし、人物関係の構造は前々三部作(77、80、83年)への愛情が強過ぎる影響を受けた嫌いがある。かつてのドラマティックな相関図が念頭に置かれた人物配置がなされ、善悪にまつわる悲劇的な歴史が再び繰り返される。父と子。師と弟子。相棒。メカ。異星人。新たに出てくるキャラクターの多くが、かつてのキャラクターの影響下にある。これは息苦しい。ある人物に起こる哀しい対面など、先が読めてしまうほどに。

 とは言え興奮もたっぷり。その原動力となったのがキャスティングにあったことは間違いなく、主役と言って良いデイジー・リドリーとジョン・ボイエガがとにかく活きの良い演技を見せる。キャリー・フィッシャーのように何故の嵐を抱かせることのない愛らしさと強さを発散するリドリーも、「アタック・ザ・ブロック」(11年)の頃よりごつい中に柔らかさを感じさせるようになったボイエガも、熱い血が流れていることがよく分かる身体の持ち主だ。視覚効果が多くなりがちな画面の熱が冷めなかったのは、彼らがいたおかげだ。ふたりの掛け合いもユーモラスで良い。

 旧キャラクターではやっぱりか、ハン・ソロ役で再登場のハリソン・フォードが活躍する。彼がチューバッカと共に初めて顔を出す場面には、ちょっと震えが来た。ハン・ソロ役に出合わなければ今のフォードはいなかっただろう。役が役者と同化する気配を感じる。同じことをレイア=フィッシャーやルーク・スカイウォーカー=マーク・ハミルに感じなかったのはキャリアの差か。

 何にせよ「エピソード7」は、その世界観を「エピソード3」と繋げることに成功した。再開は久しぶりでも、宇宙では同じように時が流れていた。それを感じさせるのに十分な新スタートだ。次が楽しみになる再起動になったのは喜ばしい。





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