WISH I WAS HERE/僕らのいる場所

WISH I WAS HERE/僕らのいる場所 “Wish I Was Here”

監督・出演:ザック・ブラフ

出演:ケイト・ハドソン、ジョーイ・キング、ジョシュ・ギャッド、
   ピアース・ガニォン、マンディ・パティンキン、ドナルド・フェイソン、
   アシュリー・グリーン、ジム・パーソンズ

評価:★★★




 『WISH I WAS HERE/僕らのいる場所』から連想した作品が「終わりで始まりの4日間」(04年)なのは偶然ではないだろう。どちらもザック・ブラフが監督・主演を手掛けているし、何より設定が似ている。大人になれない主人公。役者志望。折り合いの悪い父親。忍び寄る死の影。ダメ男のミューズとなるしっかり者の女。

 再生産の匂いはある。けれど、不快さからは切り離される。それは多分、登場人物たちに対する深い愛情が感じられるからだ。セクハラ男だけは不快さしか残さないものの、これは仕方ない。後の人物にはブラフの彼らに対する慈しみが嫌味なく感じられる。例えば主人公は汚い言葉を次々吐く。甘ったれた、怠けた言葉も多い。けれど、その言葉の数々の裏側にはハートが見え隠れする。ピュアなものが覗く。

 ふたりの子どもも大分大きくなったのに、役者になるという夢を諦められないブラフが、父が病に倒れたことをきっかけに人生を見つめ直す。心の支えになる夢。これからの生き方。家族への愛情。若かった頃と違うのは「責任」と呼ばれるものが付きまとうことで、それとどう向き合うかを丁寧に探る物語だと言って良い。

 感傷に浸ることもできるのに、それを拒否する気配が良い。人生に雁字搦めになったブラフは、それでも決して泣き言に縋らない。うつ病気味の弟や発作的に丸刈りにしてしまう長女、職場でセクハラに遭う妻らに囲まれたブラフが目を真ん丸くしながら、ぎりぎりのところを綱渡りしていくのが可笑しい。

 登場人物への愛情は俳優への敬意にも繋がる。女性や女優に対する見方が温かく感じられる。ブラフが底なし沼にハマりながらも踏ん張れるのは、傍らにミューズがいるからだ。理屈どうこうではない。男と女とはそういうものだ。妻を演じるケイト・ハドソンは当然綺麗に撮られる。くるくるのブロンドととびきりの笑顔がブラフを包み込む。それゆえのドラマだ。

 長編デビュー作がそうだったようにブラフ映画は、地面すれすれのところで翼を広げ、少しずつ飛翔していくイメージがある。少し操作を間違えたら地面に激突する寸前のところでキープし、僅かなチャンスをものにして、次第に空高く舞い上がるのだ。この気持ち良さは快感だ。子どもの頃の自分と絡めたSF的要素は自己満足の域を出ないものの、これは癖になる。





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