I LOVE スヌーピー/THE PEANUTS MOVIE

I LOVE スヌーピー/THE PEANUTS MOVIE “The Peanuts Movie”

監督:スティーヴ・マーティノ

声の出演:ビル・メレンデス、ノア・シュナップ、ハドリー・ベル・ミラー、
   マリエル・シーツ、フランチェスカ・カパルディ

評価:★★★




 チャールズ・モンロー・シュルツの原作のイメージが強いからだろうか。スヌーピーは紙の上で動いている印象がある。誰にでも描けそうで、でも決して真似のできないシュルツの線により息を吹き込まれたスヌーピーは、別に映画にしなくても良いような気もする。3Dと聞くと、いよいよ余計なお世話プロジェクトの匂いがプンプンだ。

 しかし、『I LOVE スヌーピー/THE PEANUTS MOVIE』は原作の味を決して殺さない。むしろ全編に渡って原作への敬意が感じられる。例えばスヌーピー人気に乗じて彼を主人公にした物語にしなかったのは、ビジネス的側面を考えれば、勇気あることだったのではないか。主人公はあくまでチャーリー・ブラウン少年であり、スヌーピーは彼の飼い犬、いや相棒なのだ。大人が一切出てこないのも、それが当然のこととして描かれる。

 キャラクターたちが最高に可愛い。3DCGアニメーションは色がたくさん溢れても、ちょっと間違うと冷たい感触を残すものだ。ところが、ここではその肌の質感にフェルトのような温か味を持たせることに成功する。陶器のように輝きながら、温もりも感じさせるのだ。動きはストップモーション・アニメーションのそれが参考にされているのではないか。シュルツが生み出した個性豊かなキャラクターたちが生き生きと動く。そこにこそ感動がある。

 1950年に生まれた漫画を原作にしているためだろう、表現に所々古風なものが目立つのが良い味だ。ウッドストックが飛んだ後に線が出来たり、黒電話が鳴ると大袈裟に伸び縮みしたり、スピードがつくと通った後にその残像が残ったり…。3Dアニメーションでありながら、2Dの匂いも感じられるのと無関係ではないような…。

 チャーリー・ブラウン少年のとぼけた味も愉快。何をやっても上手く行かないのには理由がある。誰よりも優しくて、誰よりも正直だからだ。人はそれを不器用と呼ぶのかもしれないけれど、今の時代を通して見ると、この性格が映えること。スヌーピーの愛らしさに負けないのは、この気質あればこそ。スヌーピーは彼をサポートすることに一生懸命だけれど、実はスヌーピーこそ、こんな飼い主に飼われて感謝するべきだ。

 スヌーピーにも見せ場を作らなければならない。そうして捻り出されたのが、スヌーピーを空想の中で冒険させる作戦だ。スヌーピーは飛行機パイロットとなり、パリへ飛び、愛を叫ぶ。これがもうひとつ上手く機能しない。冒険自体にさほど魅力がないし、それにスヌーピーはチャーリー・ブラウンのいる日常にいてこそ輝くビーグル犬なのだ。





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