ブック・オブ・ライフ マノロの数奇な冒険

ブック・オブ・ライフ マノロの数奇な冒険 “The Book of Life”

監督・声の出演:ホルヘ・グティエレス

声の出演:ディエゴ・ルナ、ゾーイ・サルダナ、チャニング・テイタム、
   ロン・パールマン、カテ・デル・カスティーヨ、アイス・キューブ、
   クリスティーナ・アップルゲイト、ヘクター・エリゾンド、ダニー・トレホ、
   アナ・デ・ラ・デゲラ、プラシド・ドミンゴ

評価:★★★




 アニメーションで重要なのは何よりもまず、その絵柄だ。けれど、個性を出そうにも多くの作家がアイデア切れ、見たことのない表現にお目にかかることは稀だ。『ブック・オブ・ライフ マノロの数奇な冒険』はその稀な機会を提供する。登場人物が皆、わざと人形っぽい造形になっている。

 それは見世物小屋に置いてありそうなからくり人形風だ。ブリキの人形を思い出す人もいるかもしれない。木の枝を彫刻刀で丁寧に彫り込み、やすりで磨いて人形に仕立て上げたような風貌。上半身が大きく、下半身が細く小さくなったバランス。髪の毛はチョコレートでコーティングしたかのようだ。

 舞台は「死者の日」を迎えたメキシコだ。家族や友人が集い故人を偲ぶ祝日で、日本で言うならお盆だろうか。そこに死者の国を支配するふたりの怪人が絡み、幼馴染三人の男女の運命が大きく揺れ動く。当然死の匂いが濃くなる。ティム・バートンが飛びつきそうな設定だ。けれど、バートン映画とは決定的に違うものがある。色彩感覚だ。

 黒や灰色でまとめられてもおかしくない舞台設定や物語にも関わらず、それらが断固拒否される。なぜならここはメキシコ。陽気なラテンの国だ。様々な色が愉快に弾けるのだ。闇雲に色が弾けるわけではない(極彩色の印象はない)。ちゃんとメキシコテイストが守られる。おそらく色の組み合わせが優れているため、説明がなかったとしてもメキシコだとすぐ分かる。おかげで翳りはほとんど消えているものの、その犠牲を承知で、色で遊んでいる。

 幼馴染三人の物語に予想外の面白さはないものの(自分らしく生きることが行儀良く示される。誰と誰が結ばれるかは一目瞭然)、心に残る場面は多い。中でもミュージカル場面が美しく、しかも感動的に綴られる。歌が好きなのに闘牛士になることを強いられるマノロが愛するマリアに「I Love You Too Much」を捧げる場面。マノロが桟橋や大木を蝋燭で飾り「Can't Help Falling in Love」でマリアに愛を告げる場面。死者の国の牛との闘いの最中、マノロが「The Apology Song」を語り上げる場面。映像と歌が見事に絡む。マノロ役のディエゴ・ルナの歌声もぴったりだ。

 ただ、主人公を大人へ成長させる必要はなかったのではないか。マノロと恋のライヴァルであるホアキンは青年へと歳を重ねるのだけれど、どう優しい目で見ても「オッサン」だ。マリアは美しく成長するのに(頭の上部でボリュームたっぷりにまとめたポニーテールが最高)、マノロとホアキンはまるでしもぶくれのオッサンだ。子ども時代の可愛らしさのままで同じ話を伝えられたはずなのに。なお、白塗りで化粧された死者の顔はとても面白い。死んでもカラフルを貫くのも嬉しいところだ。





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