イルカと少年2

イルカと少年2 “Dolphin Tale 2”

監督:チャールズ・マーティン・スミス

出演:ネイサン・ギャンブル、アシュレイ・ジャド、ハリー・コニック・ジュニア、
   モーガン・フリーマン、クリス・クリストファーソン、
   コージー・ズールスドーフ、オースティン・ストウェル

評価:★★★




 「ソウル・サーファー」(11年)でお馴染み、べサニー・ハミルトンがいきなりゲスト出演するのに驚くものの、結局目を奪われるのは相も変わらず、イルカと少年が戯れる画だ。水と光の力を借りてグレイの滑らかな身体を輝かせるイルカ。海の化身を思わせる眼差しの先で少年が泳ぐことで、それだけで何物にも代えがたい尊いものを感じさせる。曲芸などなくても、胸を打つものがある。『イルカと少年2』はこの画に、時間と呼ばれるものの厚みを加える。

 アメリカでのルールなのだろうか、イルカを飼育するには、別のイルカとペアを組ませなければならない規定があるらしい。ペアのイルカを亡くした義背びれのウィンターもその例に漏れず、他へ移送するよう勧告される。なかなかシヴィアな決まりだ。しかし、水族館というものに対する考え方を明確にし(日本のそれとは大きく違う)、上の人間が悪者になることなく、それぞれが問題に向き合う姿には真摯なものがある。そして、それが作り手の誠実さと重なって見える。

 言うまでもなく、ウィンターは障害を抱えた人に勇気を与えるシンボルだ。それに寄り掛かることを良しとしない姿勢が好もしい。シンプルなストーリーに様々なテーマが見える。喪失感。母と息子。父と娘。心と身体の成長。それに伴う環境の変化。仄かな恋心。誰もがいつまでも、同じ場所にはいられない。やや散漫な印象は免れないものの、ウィンターの運命が決まる結末に向かって、いずれも丁寧に回収されていく。

 ひとつの扉が開くとき、別の扉が開く(When one door closes, another opens.)。この言葉が大いに意識され、イルカと少年がもがく。まだ見ぬ世界は不安でいっぱいで、けれどそこにはチャンスが眠っている。乗り越える価値はある。動物への思いと生きていく上での避けられない変化が爽やかにリンクするからこそ、この映画は素直に受け止められる。

 時間が大きな意味を持つ。一緒に過ごすということは、時間の流れる速度が同じになりやすい。そして同じ速度は心地良さを生む。それに浸かり続けるのか否か。そこにある翳り交じりの希望が、厚みに繋がっていく。イルカという神秘性を称えた生き物が真ん中にいるおかげで、説教臭さが抑えられているのが良い。

 それにしても動物たちは名演だ。イルカたちが素晴らしいのはもちろん、またしても登場ペリカンのルーファスが場をさらう。傷ついて捕獲されたカメへの気のかけ方が大いに可笑しい。実話ベースの映画だけれど、ルーファスにもモデルがいるのだろうか。いて欲しい。そう、これは実話で良かったと思わせてくれる稀有なシリーズなのだ。





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