コードネーム U.N.C.L.E.

コードネーム U.N.C.L.E. “The Man from U.N.C.L.E.”

監督:ガイ・リッチー

出演:ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル、
   エリザベス・デビッキ、ヒュー・グラント、ジャレッド・ハリス、
   ルカ・カルヴァーニ、シルヴェスター・グロート、デヴィッド・ベッカム

評価:★★★




 いつもより大分控えめに抑えられているというのに、相変わらずガイ・リッチー映画のアクションの編集には頭が痛くなる。矢継ぎ早にカットを繋ぐことでスピード感を出すのが狙いなのだろう。けれど、同じところに数秒も静止していられない前のめりのそれは、肉体の内部に宿るスピードをも平然と殺してしまう。もっと肉体そのものの力を信じられないものか。

 …とは言え『コードネーム U.N.C.L.E.』はリッチー映画では出来が良い方ではないか。オリジナルのTVシリーズに敬意を払ったのか、何よりも背景となる「60年代」「冷戦下」というキーワードを大切にした画が並ぶ。思いがけず手を組むことになったアメリカのCIAとソ連のKGBがそこに大胆不敵に放り込まれ、各々の持ち場で弾ける様、なかなか慎ましいノリだ。

 それはもしかするとスタイルというものが関係しているのかもしれない。CIA代表のナポレオン・ソロはいつもスーツを装着、髪を撫でつけ、女が傍にいれば口説くのが礼儀と考える伊達男。KGB代表のイリヤ・クリヤキンはタートルネックとハンティング帽がトレードマーク、真面目で几帳面、そして喧嘩っ早い堅物男。それぞれがそのスタイルこそがベストだと、取り澄ました態度を崩さないのが可笑しい。

 ソロをヘンリー・カヴィル、クリヤキンをアーミー・ハマーが演じる。この勝負はハマーが若干リードか。どちらも気取りを極めても、どこか間の抜けたところを感じさせる俳優で、それを承知の演技になっているのが良い。ただ、カヴィルは残念、ソロのシンボルである高級スーツが似合わなかった。スーパーマン仕込みの鍛え上げた身体が、ここではマイナスになったかもしれない。スーツのシワの寄り方も目立つし、少々息苦しく見える。もう少し上手に着こなせたのではないか。その点、ハマーは無理がない。デカいガタイが大いに活かされる。

 ソロとクリヤキン、ふたりの対照性への意識が作品のレトロスペクティヴな空気にしっかり溶け込んでいる。インターネットも携帯電話もない時代、彼らは己の目と鼻と耳を信じ、その身体を動かすのが好印象。昨今のバディムービーにありがちな、ブロマンス的要素、同性愛的気配が一切拒否されるのも良い。強引な装飾は物語を停滞させるだけ。これで結構。

 女優たちも頑張る。アリシア・ヴィキャンデルとエリザベス・デビッキが、いかにも60年代を感じさせる衣装をまとってキラキラ輝く。パステルカラーの絶妙な組み合わせ。黒と白の投入。奇抜にしてキュートなデザイン。美しいシルエット。それに合わせた太めのアイラインや付けまつ毛。ツイッギーじゃなくても可愛いアイテムの波状攻撃。たかがワンピースがこんなに可愛いとは、うん、ヴィキャンデルもデビッキも着せ替えごっこのようで楽しかっただろう。





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