ホーム・スイート・ヘル キレたわたしの完全犯罪

ホーム・スイート・ヘル キレたわたしの完全犯罪 “Home Sweet Hell”

監督:アンソニー・バーンズ

出演:キャサリン・ハイグル、パトリック・ウィルソン、
   ジョーダナ・ブリュースター、マディソン・ウルフ、エイダン・フラワーズ、
   ジェームズ・ベルーシ、ケヴィン・マクキッド

評価:★★




 TVシリーズ「デスパレートな妻たち」(04~12年)にブリーというキャラクターが出てくる。マーシア・クロスが演じるこの主婦は、何事も自分の思い通りにしないと気が済まないタイプ。計画を完璧に遂行するためには多少倫理観を犠牲にしても構わない。『ホーム・スイート・ヘル キレたわたしの完全犯罪』のヒロイン、モナも同じ系統に属する。ブリーをさらに過激に飾り立てたような印象。夫の浮気を知ったモナは、夫に愛人殺しを命じる。

 それにしても夫が気の毒だ。人生計画を完璧に思い描いたモナは何と、セックスの日まで決めている。それも年6回!つまり2カ月に一回!60日に一回!1440時間に一回!しかも、一回の情事で賞味15分と来た!斯くして哀れ夫は叫ぶ。「俺たちは夫婦だ。もっといちゃいちゃしたいんだ!」。ホントにこの嫁といちゃいちゃしたいかと突っ込まずにはいられない。

 モナをキャサリン・ハイグルが演じる。なるほどこのところ好感度が低迷しているらしいハイグルのセルフパロディが入っているかもしれない。若い頃はそうじゃなかったと思うのだけれど、このところのハイグルは目が死んで見える。笑顔を作ってもその胸の内はがらんどうで、ハートを感じない。それを役柄に活かす。欲情した夫に胸に揉まれても、全く反応しない。オレンジの口紅とブロンドともジャストフィット。うん、合っているじゃないの。

 ただ、前半はハイグルが夫に命令するばかりなのが物足りない。夫役のパトリック・ウィルソンがあたふたする様は可笑しくはあるものの、やはりここはハイグルの暴走こそ拝みたい。その期待に応えるかのように後半、ハイグルが狂気を全開にする。ナイフで刺し、ハンマーを振り下ろし、そして日本刀で血塗れになる。

 もちろんこれはブラック・コメディだ。ただ、毒の効かせ方は幼い。妻に頭の上がらない夫がどんどん道を踏み外していく様を、自業自得と思いながら、哀れに見ている。そして情けなさ、滑稽さをそのまま提示する。本当によくできたブラコメは提示物の裏にあるどす黒いものが味になるものだ。

 事件が終わりを迎えた後のエピソードは完全に不要だ。これがあるばかりに妻が精神状態のおかしい女としての側面が浮上してしまい、そのサイコ性が一面的に見えてしまった感。彼女はどんな妻でも大なり小なり抱えているに違いない夫の支配願望をカリカチュアした存在であった方が良いに決まっている。





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