リベンジ・トラップ 美しすぎる罠

リベンジ・トラップ 美しすぎる罠 “Return to Sender”

監督:フアド・ミカティ

出演:ロザムンド・パイク、シャイロー・フェルナンデス、ニック・ノルティ、
   カムリン・マンヘイム、アレクシ・ワッサー、ルーマー・ウィリス

評価:★★




 強烈だったせいもあるのだろう。ロザムンド・パイクが主演する『リベンジ・トラップ 美しすぎる罠』が、もうひとつの「ゴーン・ガール」(14年)のように見える。若い男にレイプされたパイクは本来、同情されても良い存在なのに、別の角度から見ると、レイプ犯よりも狂って見えるのがミソだ。ただし、笑いはない。

 作り手も事件が起こる前から、パイクの狂気を意識する。手術専門の看護師を目指しているという設定や時折見せる思い詰めた目。深刻な潔癖症。おそらくこの映画は、善良な人間が復讐の鬼と化す様を描きながら、「加害者」「被害者」にまつわる問題に蹴りを入れることを目的にしている。すると、もしかしたら元々彼女にサイコの素質があったのではないかとも読める気配はあまり効果的ではないのではないか。

 …というのも事件後、なかなか以前のようには戻れない被害者の実態が念入りに描写されるからだ。引っ越しをしようにも事件が影響して今の家が売れず、仕事に打ち込もうとしても手の震えが止まらない。人間関係もぎこちなくなってしまった。分かりやすくトラウマを負ったヒロイン。ここだけ取り出せば、普通の女なのだ。

 やはり見せ場は「自分」を取り戻すべく、復讐を決意してからの女だ。刑務所のレイプ犯に手紙を送るという普通ではない行動をきっかけに、少しずつ彼との距離を縮めていく女が怖い。そして美しい。そう、パイクがどんどん綺麗に見えてくる。ある種の生き甲斐を見つけた女の輝き。「ゴーン・ガール」のヒロインに通じるものがある。ストックホルム症候群なんて言葉も過ぎるけれど、考え過ぎか。

 ただ、復讐描写はあっさりまとめてしまった感はある。逆に男をじわじわ追い詰めていく気配に乏しく、突然男に襲い掛かる。唐突が過ぎて、ギャグに見えなくもない。もっと心理的に追い込んでいくショットが欲しいところだ。監禁後の「制裁」はショッキングというよりも、むしろその分かりやすさに物足りなさを感じる。パイクならもっと女の怖さを出せただろう。

 パイクの父親を演じるニック・ノルティが醸し出す優しい空気が良い。枯れ方に味があり、娘を心配する心に嘘臭さがない。だからこそ、彼をもっと事件に絡めて欲しい。ノルティの愛犬に対する扱いも含め、腑に落ちないところだ。ここでのノルティは事件の目撃者でしかない。父と娘の間に流れる複雑な感情をサスペンスに絡めることも可能だったはずなのに。





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