PAN ネバーランド、夢のはじまり

PAN ネバーランド、夢のはじまり “Pan”

監督:ジョー・ライト

出演:リーヴァイ・ミラー、ヒュー・ジャックマン、ギャレット・ヘドランド、
   ルーニー・マーラ、アマンダ・セイフライド、アディーク・アクタル、
   ノンソー・アノジー、キャシー・バーク、エメラルド・フェネル、
   カーラ・デルヴィーニュ、ルイス・マクドゥガル

評価:★★




 ここにはお馴染みの物語がない。誰もが知る冒険よりも前、ピーター・パンの誕生秘話が描かれるのだという。ポイントはやはり、ピーター・パンのキャスティングだろう。抜擢されたリーヴァイ・ミラーは利発でやんちゃな顔立ちのオージー・ボーイだ。写真だと分かり辛いものの、動きがつくとなかなか良い。無理に背伸びすることないまま、伸び伸びカメラの前を駆け回る。ピーター・パンはもう少し大きいイメージがあるけれど、これはこれで悪くない。

 問題は構成だ。ピーター・パンが誕生するまでの物語ゆえに、彼らしい魅力に乏しい感は否めない。ウェンディが出てこないのは仕方ないにしても、緑のコスチュームが出てこないのは寂しいし、ネバーランドの魅力もほとんど探られない。そもそも話の大半は初めてネバーランドにやってきた少年が出生の秘密を知り、遂に力に目覚めるまでに割かれていて、ほとんど出し惜しみじゃないかと言いたくなる画の羅列。だってピーター・パンが空を飛ぶ場面すら、数えるほどしかないのだ。

 これは最近では「ファンタスティック・フォー」(15年)が犯した失敗と全く同じパターン。能力者がその力を発揮するまでの葛藤に固執して、本来の魅力を殺してしまった。遂に開花したピーター・パンがまとう空気は、「クロニクル」(12年)の主人公のような狂気もちらり。まあ、これは見せ方の問題か。

 悪役は黒ひげだ。ヒュー・ジャックマンが演じる。ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」を歌いながらの登場には笑ったものの、その後は隠し芸大会の余興のような趣。狙い過ぎて笑えないメイクとウィッグのジャックマンが、残念、恐ろしくもなければ茶目っ気を出すことにも失敗する。

 タイガー・リリー役のルーニー・マーラがファンタジーでも低温の演技を通して画面を辛気臭くする一方、若き日のフックを演じるギャレット・ヘドランドは楽し気に弾ける。ちょっとインディ・ジョーンズを意識したところがあるのではないか。マーラとヘドランドの間に流れる空気は悪くない。

 ジョー・ライトはファンタジーと相性が悪いのだろうか。派手に飾り立てれば立てるほど、画面が下品に見える。とりわけ光の切り取り方が大雑把で、やたらキラキラした画が並び、しかし一向に美しく見えない不幸。3Dに手を出して感覚が狂ってしまったのかもしれない。『PAN ネバーランド、夢のはじまり』に振りかけられたキラキラは、80年代ディスコのミラーボールのそれに似ている。美というものとは無縁、金の匂いしかしないのだ。





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