リトル・アクシデント 闇に埋もれた真実

リトル・アクシデント 闇に埋もれた真実 “Little Accidents”

監督:サラ・コランジェロ

出演:エリザベス・バンクス、ボイド・ホルブルック、ジェイコブ・ロフランド、
   ジョシュ・ルーカス、クロエ・セヴィニー、トラヴィス・トープ、
   ボー・ライト、ジェームズ・デフォレスト・パーカー

評価:★★★




 山間の炭鉱の町で10人が死亡する事故が起こる。事故は一瞬だ。けれど、傷はなかなか癒えない。そこで生きる人々は何かに囚われ、何かを無意識に憎み、けれどそこから抜け出す術を知らない。『リトル・アクシデント 闇に埋もれた真実』はその中から、中でも三人を取り上げる。事故の唯一の生還者ボイド・ホルブルック、炭鉱会社の管理職の妻エリザベス・バンクス、そして事故で父を亡くした少年ジェイコブ・ロフランドだ。

 事故により会社側と労働者側が対立する。ホルブルックがどちらにつくのかというサスペンスが一本通っているものの、作り手の興味はそこにはない。一瞬の事故により運命を狂わされた者たちの、必死のもがきを凝視することで、小さくても良い、どこかに光はないかと探る。

 その難しさは、何故会社を辞めないのかと問われたホルブルックの答えに顕著だ。身体が不自由になっても、多くの仲間が死してもなお、ホルブルックは言う。「炭鉱の仕事が好きだからだ」。会社の関係者だけでない。その家族も、その知り合いも皆、町に囚われる。町には見えないベールがかけられているかのようだ。

 ホルブルックとバンクスは本来敵対してもおかしくない関係だ。ところが、このふたりが良い仲になる。淋しい魂同士が本能的な部分で欲し合う感じが良く出ている。メロドラマ的だと斬って捨てることは簡単だけれど、何かに縋らなければ息をすることすらままならないとき、思いがけないことが起こる。真夜中、ホルブルックとバンクスの手が初めて触れる時の緊張感。物事は単純ではない。

 ただし、このふたりの関係にロフランドまで絡めるのは行き過ぎたかもしれない。ロフランドは事故のことでバンクスの息子と諍いとなり、弾みで彼を殺してしまう。死体を山の中に埋めたことでロフランドの苦悩はさらに深まる。その彼がバンクスやホルブルックと繋がることで、ドラマを作り出そうという作為の輪郭がくっきり浮上する。

 クライマックスはなかなか味わい深い。ホルブルックがどちらの側につくか決断し、ロフランドも決着をつける。どう転んでも、ことはすんなり収まらない。闇は深くなるかもしれない。痛みは増すだろう。けれど、作り手はなるほど、確かに光と呼べるものを見つけるのだ。





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