November 27-29 2015, Weekend

◆11月第4週公開映画BUZZ


クリード チャンプを継ぐ男 “Creed”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:ライアン・クーグラー
 Budget:$35,000,000
 Weekend Box Office:$29,632,823(3284) Great!
 OSCAR PLANET Score:87.3 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:マイケル・B・ジョーダン
           助演男優賞:シルヴェスター・スタローン
           撮影賞編集賞録音賞音響効果賞作曲賞

リリーのすべて “The Danish Girl”
 配給:フォーカス・フィーチャーズ
 監督:トム・フーパー
 Budget:$25,000,000
 Weekend Box Office:$187,318(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:72.2
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:エディ・レッドメイン
           助演女優賞:アリシア・ヴィキャンデル
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞

アーロと少年 “The Good Dinosaur”
 配給:ディズニー
 監督:ピーター・ソーン
 Budget:$200,000,000
 Weekend Box Office:$39,155,217(3749) Good!
 OSCAR PLANET Score:73.2
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           視覚効果賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞
           アニメーション映画賞

“Victor Frankenstein”
 配給:20世紀フォックス
 監督:ポール・マクギガン
 Budget:$40,000,000
 Weekend Box Office:$2,469,341(2797) zzz...
 OSCAR PLANET Score:32.4 BIG BOMB!
 Oscar Potential:美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
 Razzie Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ジェームズ・マカヴォイ
           助演男優賞:ダニエル・ラドクリフ


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 これはビッグサプライズと呼んで良いのではないか。「ロッキー」(76年)のスピンオフの製作が発表されたとき、おそらく多くの映画ファンがビジネスありきの志低いものになると考えたはずだ。ところが、遂に完成した『クリード チャンプを継ぐ男』はそれを大きく覆す、新たなるボクシング映画の金字塔だと大絶賛の嵐を巻き起こしている。監督ライアン・クーグラー、主演マイケル・B・ジョーダンという「フルートベール駅で」(13年)コンビを迎えたことが功を奏したか、「ロッキー」の世界に新たな風を吹かせる勝負に見事勝利しているという。ただし、ロッキーは今回の主人公ではない。主人公のトレーナーというサポート役だ。ロッキー・バルモアのライヴァルだったアポロ・クリードの息子アドニスが、ロッキーにトレーナーを依頼、亡き父から受け継いだボクシングの才能を開花させていく物語になる。批評家が言うには、「ロッキー」のスピリットを正しく受け継ぎ、かつ今の時代を感じさせる仕上がり。これまでの繰り返しでも、単にボクシングの試合を見せる映画でもなく、作り物ではない感情と肉体を撮り上げた本物の人間ドラマが繰り広げられているとのこと。グーグラーの確かな演出力。ジョーダンの勢いを感じさせる真摯な演技。そして忘れてはいけないロッキーと言ったらこの人、シルヴェスター・スタローンのキャリア最高と断言して良い渾身の一打。そう、スタローンが激賞されている。「ロッキー」と共に映画界に現れた男が、いくつもの浮き沈みを乗り越え、老年に入り、ロッキーの肉体に人の心を掴んで離さない熱い魂を与えている。一月前にはほとんど気に留められていなかった作品だが、この賛辞により急激に賞レースBUZZが沸騰。まさかの主要部門参戦が現実味を帯びてきた。とりわけスタローンへの賛辞は熱狂的で、ラジー賞常連のスタローンがまさかのオスカーウィナーになる可能性も指摘されている。勝負を挑むのは助演男優賞。依然誰がリードするのか読めない部門だが、それがスタローンになる可能性は想像以上に低くないのではないか。おそらく多くの人がスタローンが頂点に輝く最後のチャンスだと考えるはずで、そうなると票は入りやすくなる。それを後押しするかのように、興行的にも上々の滑り出しだ。

 「英国王のスピーチ」(10年)のトム・フーパー監督と「博士と彼女のセオリー」(14年)のエディ・レッドメインの組み合わせが話題の『リリーのすべて』は、『クリード』の登場で影が薄くなったか。それでも好意的見解優勢なのは間違いなく、賞レース参戦も確実視されている。リリーとゲルダの若い夫婦を主人公にした実話ドラマ。あることがきっかけでリリーが「女」に目覚め、性転換手術を受けることに…。リリーは世界で初めて性転換手術を受けた人物。命を危険に晒してまでも女になることを選ぶ夫と、その妻を描く。トランスジェンダーという題材は非常にタイムリーで、自分らしく生きるというテーマがヴィヴィッド、かつエモーショナルに浮上していると批評家は歓迎。物語に見合った撮影やレッドメインの女装(?)も美しいとのこと。もちろんレッドメインの演技は強力で、オスカーウィナーらしい繊細な演技は感動を余儀なくされる。そして、もうひとりの注目の人物は妻を演じたアリシア・ヴィキャンデル。スウェーデンから飛び出し、着実に作品を重ねてきた若手が遂に才能を開花させ、彼のいちばんの理解者であり続けた妻の魂を完璧に掬い上げている。ヴィキャンデルこそ最大の見ものとする意見も多い。賞レースではレッドメイン、ヴィキャンデルの参戦が確実。ただ、作品賞や脚色賞では苦戦するかもしれない。物語そのものの吸引力に疑問を呈した評は少なくなく、奇抜に見えても平凡なメロドラマだと斬った意見もちらほら。また、主演で考慮されてもおかしくないヴィキャンデルが助演でプッシュされているのも不安要素かもしれない(ただし、候補入りした場合は、相当強いはず)。興行的には限定封切りで猛スタート。賞レースが本格する中、どれだけ粘れるだろうか。

 今年はピクサーが初めて一年に二本の作品を発表。『インサイド・ヘッド』に続く『アーロと少年』がその作品。「もし巨大隕石の墜落による恐竜絶滅が起こらなかったら」という仮説を基に、恐竜のアーロと孤独な少年のスポットが冒険を繰り広げる様が描かれる。『インサイド・ヘッド』で見事息を吹き返したとの声が多いピクサーは好調を維持、今回も好レヴューが並んでいる。語る価値のある物語をまばゆいばかりに美しい映像で表現したアニメーション。家族連れが観るのに最適なチャームをたっぷり具えた出来映えは、なるほどピクサー印だという。ただし、絶賛一色ではなく、ピクサー絶頂期の作品に匹敵するほどのクオリティではないとの声も少なくない。尤も、それを差し引いても賞レース参戦に疑問符がつくレヴェルの評価ではない(ただし、候補確実とは言えない)。それに「賞レース」という観点から見ると、この評価はかえって好都合かもしれない。アニメーション映画賞受賞に最も近い位置にいる『インサイド・ヘッド』と票割れを起こす危険は小さくなったためだ。ピクサーが目指すのは、『インサイド・ヘッド』『アーロと少年』でどちらもノミネーションを勝ち取り、かつ前者で受賞すること。本作の評価はそれに最適なものと言える。また、興行的にも(ピクサー作品としては低めとは言え)悪くない出足。感謝祭シーズン、ファミリー層に最もアピールする作品として存在感を発揮、クリスマスに向けて腰のある興行になるのではないか。

 ハロウィンシーズンを外した公開は自信のなさの表れだったのか、『Victor Frankenstein』は批評的にも興行的にも大苦戦。メアリー・シェリーのゴシック小説をベースに、ヴィクター・フランケンシュタインとその助手イゴールの罪深い関係を描くホラーだが、どうやら人々の記憶から消えるのは早いと思われる。誰もが知る物語を再構築する、所謂リイマジネーションだが、イマジネーションなしのそれだと批評家は手厳しい。物語の視点を変えたことに自信満々の語り口だが、それが新しい興奮に繋がっていないとの指摘が多々。フランケンシュタインを演じるジェームズ・マカヴォイ、イゴールに扮したダニエル・ラドクリフへの言及もほとんどない状況。Box Officeが最も盛り上がる感謝祭シーズンの公開にも関わらず、トップ10入りすら逃す興行的にも冴えない結果に終わっている。ラジー賞への警戒が必要かもしれない(とりわけ依然ハリー・ポッターのイメージが付きまとうラドクリフ)。 





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