ヴィジット

ヴィジット “The Visit”

監督:M・ナイト・シャマラン

出演:オリヴィア・デヨング、エド・オクセンボウルド、
   ディアナ・ダナガン、ピーター・マクロビー、キャスリン・ハーン

評価:★★




 「エアベンダー」(10年)ではファンタジー、「アフター・アース」(13年)ではSFに手を出し、もはや誰の目から見ても迷走が明らかだったM・ナイト・シャマランがホラーに戻ってきた。…と言っても小品だ。仕方ない。不出来な作品の連発はシャマラン映画をキワモノとして見做す人を大量に生んだ。大金投入をスタジオが躊躇うのは当たり前だ。それゆえの小品ホラー。原点回帰云々というよりも、これぐらいしか任せてもらえないというのが本当のところだろう。

 けれど、金がかけられない分は想像力で補うしかなく、これがプラスに働いている。棚から牡丹餅。題材との相性を考えても、これで良い。シャマランが今回寄り添うのは、幼き頃の、想像力が逞しいゆえの、その傍らにある恐怖だ。壁のシミや影の形が恐ろしかったり、近所の廃屋に何かがいるのではないかと慄いたり、その類。

 主人公の姉妹は一週間をペンシルバニア(!)に住む母の祖父母と過ごすことになる。これが初対面だ。果たして現れるジイサンとバアサンが不気味なの何の。そう、子どもの頃、自分の祖父母はともかく、見知らぬ老人は怖かった。笑みの裏に何かよからぬことを秘めていそうで、しわしわの容姿や独特の匂いが想像を補強する。

 ここにはシャマラン得意のスーパーナチュラル要素はない。あくまで現実的な恐怖に限定される。かえってそれが毛穴に沁みる。ジイサンバアサンどちらもナイスな脅かし役だ。とりわけバアサン。床下で這う場面は日本の貞子風。真夜中の全裸ショットやカメラを覗く形相も、うむ、怖い。大人がちびってもおかしくない。

 映像は姉妹が撮るVIDEO映像により構成されている。そう、モキュメンタリーというやつだ。となるとどうしても「パラノーマル・アクティビティ」(07年)を連想してしまうのは損だけれど、そうすることでジイサンバアサンの気味悪さが際立ったのは確かだろう。

 しかも笑える。とりわけ弟がバカな上にイライラさせるガキなのが良い。普段は生意気なガキが悲鳴を上げるのが、ちょっとしたストレス解消。罵り言葉の代わりに女性歌手の名前を呟くのもちゃんと可笑しいし、所々で披露するラップが本気で苛立ちを誘う。でもその苛立ちが画面の調味料だ。物語のオチも、これはうん、笑って良いところだ。

 さて、シャマランは次はどこに向かうのか。おそらく今度は分かりやすいメジャー大作ではないか。シャマランが復活したと思い込んだスタジオが、喉元過ぎれば何とやら、再びシャマランに賭けるのだ。あぁ、ハリウッドは回っている。





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