November 20-22 2015, Weekend

◆11月第3週公開映画BUZZ


キャロル “Carol”
 配給:ワインスタイン・カンパニー
 監督:トッド・ヘインズ
 Budget:$11,800,000
 Weekend Box Office:$253,510(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:93.2 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演女優賞:ケイト・ブランシェット
           助演男優賞:カイル・チャンドラー
           助演女優賞:ルーニー・マーラ
           助演女優賞:サラ・ポールソン
           撮影賞編集賞美術賞衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞

“Secret in Their Eyes”
 配給:STXエンタ-テイメント
 監督:ビリー・レイ
 Budget:$20,000,000
 Weekend Box Office:$6,652,996(2392) zzz...
 OSCAR PLANET Score:46.5
 Oscar Potential:主演男優賞:キウェテル・イジョフォー
           主演女優賞:ジュリア・ロバーツ
           助演女優賞:ニコール・キッドマン

ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション “The Hunger Games: Mockingjay - Part 2”
 配給:ライオンズゲイト
 監督:フランシス・ローレンス
 Budget:$125,000,000
 Weekend Box Office:$102,665,981(4175) Great!
 OSCAR PLANET Score:67.3
 Oscar Potential:主演女優賞:ジェニファー・ローレンス
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞、音響効果賞、主題歌賞

“The Night Before”
 配給:コロンビア
 監督:ジョナサン・レヴィン
 Budget:$26,000,000
 Weekend Box Office:$9,880,536(2960)
 OSCAR PLANET Score:62.6
 Golden Globe Potential:作品賞
               主演男優賞:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
               主演男優賞:セス・ローゲン
               助演男優賞:アンソニー・マッキー

“Legend”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:ブライアン・ヘルゲランド
 Budget:$25,000,000
 Weekend Box Office:$86,836(4) Good!
 OSCAR PLANET Score:59.3
 Oscar Potential:主演男優賞:トム・ハーディ
           主演女優賞:エミリー・ブラウニング
           衣装デザイン賞、視覚効果賞

“Mustang”
 配給:コーエン・メディア・グループ
 監督:ドゥニズ・ガムゼ・エルグヴァン
 Budget:€1,300,000
 Weekend Box Office:$22,151(3)
 OSCAR PLANET Score:89.1 BIG WAVE!
 Oscar Potential:外国語映画賞

“Criminal Activities”
 配給:RLJエンタ-テイメント
 監督:ジャッキー・アール・ヘイリー
 Budget:$7,000,000
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:62.6
 Oscar Potential:主演男優賞:ジョン・トラヴォルタ


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 カンヌ国際映画祭でプレミア上映されるや否や、アカデミー賞レース参戦確実との声が挙がった『キャロル』が遂に公開へ。パトリシア・ハイスミスによるクラシック・ベストセラー小説の映画化。1952年ニューヨーク、ジャーナリスト志望のデパート定員の若い女テレーズと、夫と離婚訴訟中の主婦キャロルの恋を描くロマンス劇となっている。カンヌの熱狂はそのまま米国の批評家にも伝染、作品に対する熱い支持が溢れ返っている状況。女性同士の恋愛をじっくり見つめ、強烈に惹かれ合う人間同士の間に流れる目に見えない何かを、実に魅力的に描き出した革新的な作品だという。トッド・ヘインズの計算し尽された画面設計と物語運びの中、ルーニー・マーラとケイト・ブランシェットが完璧なカップルを体現しているとのこと。批評の質も素晴らしいもので、「欠点を指摘しつつ…」などという甘いものではなく、満点評が大半。当然賞レースでも快走が予想される。作品賞、監督賞、脚色賞、演技賞はもちろん、技術賞でも健闘が期待できるのではないか。ただし、オスカーでは不安要素がないわけではない。女性主導の映画は作品賞レースで目立たないのがこれまでの傾向の上、そこに同性愛要素が絡むとなると、投票心理にどんな影響を与えるか。演技賞に票が集中してしまうことも考えられるだろう。その演技賞においても、マーラが助演女優賞でプッシュされる点が気にかかる。出演時間はマーラがブランシェットを上回っていると言われていて、実はどちらも主演なのだ。キャンペーンではどの部門に投票して欲しいと呼び掛けられるが、オスカーで最終的に決定権を持つのは会員本人であり、これは「主演」だと多くの会員が判断した場合、マーラは主演と助演で票が分散してしまう可能性がある。もちろんブランシェットも同じ危険を秘める。ちなみに外国人記者協会がカテゴリーを決定するゴールデン・グローブ賞はブランシェット、マーラを共に「主演」と判断している。そして、インディペンデント・スピリット賞もまた、両者共に「主演」部門で候補入りさせている。予断を許さないと言えよう。なお、興行的には見事と言う他ない第一週を迎えた。万人受けする内容ではないが、拡大公開の成功にも期待がかかる。

 オスカー外国語映画賞受賞のアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」(09年)を豪華キャストでハリウッド・リメイクしたのが『Secret in Their Eyes』。舞台をロサンゼルスへ移し、娘を殺害された女性FBI捜査官が13年後、遂に手がかりを見つけたことから起きる予想だにしない運命が描かれる。オリジナルから大胆な改変が加えられ、そもそも企画自体を疑問視する声が多かった作品だが、批評家の反応は冷めたものが大半となっている。ハリウッド女優界のトップに君臨し続けるジュリア・ロバーツとニコール・キッドマンが初共演、キウェテル・イジョフォーも「それでも夜は明ける」(13年)で大々的に注目されたばかりということもあり、一応の期待はかけられていたが、その話題性のみの作品として記録されそうな気配。おそらく賞レースに参加することもない(ラジー賞候補もないだろう)。具体的にはオリジナルに負けまいとして加えられた改変がことごとく滑っていて、魅惑的だった物語も吸引力を失っている他、才能あるスター俳優たちも完全なる無駄遣いとのこと。映画ファンの反応も実に素っ気なく、週末成績は1,000万ドルにも遠く及ばない寂しい結果に終わった。ロバーツ、キッドマン共に、若い世代の追い上げを振り切るためにも、大きなヒットが欲しかったはずだが…。いよいよハリウッド女優界も世代交代が顕著になってきている。同じ週にジェニファー・ローレンスの新作が封切られたのも、何かを象徴しているように見えなくもない。

 そう、感謝祭シーズンのBox Officeの主役は『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』。日本以外の国で爆発的人気を誇るアクション・シリーズが遂に完結。スーザン・コリンズのベストセラーを基にしたシリーズ第4弾で、カットニス率いる第13地区の反乱軍とスノー大統領が牛耳る独裁国家パネムとの最終戦争が描かれる。シリーズを通して好意的な批評が多かったが、最終作となる今回も好レヴューの獲得に成功。不条理なルールに支配された世界観を背景に、ファンが期待する画面が次々登場。物語もアクションも充実のレヴェルにあり、興奮と感動の波状攻撃、有終の美を飾るに相応しい仕上がりだという。興行的にもいきなり1億ドル超えというロケットスタート。…なのだが、実はこれはシリーズ中、最低の成績。配給元としては最終作ということで、より派手なオープニングを狙っていたはずだが、残念、実現はならなかった。最終的には3億ドルを狙いたいが、果たしてどうなるか。このシリーズを成功に導いた最大の功労者は、もちろんジェニファー・ローレンス。通受けする実力派の若手女優だった彼女がスター性を開花させ、シリーズと共に大スターの階段を着実に上り、今や人気・実力共にライヴァル女優たちを圧倒するポジションを獲得したことこそ、映画ファンは気に留めておくべきなのかもしれない。しばらくはローレンスの天下が続くと見て、間違いないだろう。それだけ重要な女優だとハリウッドは理解している。

 『The Night Before』は子どもの頃からクリスマスイヴを一緒に過ごしてきた悪友三人が、その恒例行事をやめることに決め、最後の打ち上げ花火を派手に飾ろうと弾ける様を描くコメディ。ホリデイシーズンを大いに意識作品だが、なるほどこの時期観るに相応しい愉快な作品だと批評家は好反応を見せている。クラシック映画として後世に語り継がれるような大層な内容ではないものの、捧腹絶倒の笑いが彼方此方で弾け、仲間と一緒に気楽に見るにはもってこい。久々の競演となるセス・ローゲンとジョセフ・ゴードン=レヴィット、そして初顔合わせのアンソニー・マッキーが繰り広げる丁々発止の笑いは嫌味がないとのこと。ただし、興行的には静かなオープニングに終わっている。クリスマスに向けて粘りを出すことができるだろうか。なお、賞レース参戦はないと思われるが、もしかしたらゴールデン・グローブ賞で引っ掛かるかもしれない。

 イギリスからは『Legend』が到着。1960年代イギリスで恐れられた伝説の双子ギャング、ロニー・クレイとレジー・クレイを描く犯罪スリラー。本国で大ヒットしたことを受け、競合ひしめくこのシーズンに公開日が移動された作品だが、批評家の反応はまずまずに留まっている。物語や演出に関してはさほど感心する声は目立っておらず、むしろ歪な部分が露になっているとの声が多い。ただし、それでも一見の価値があるとされているのはトム・ハーディが双子を見事に演じ分けているからで、さながらハーディ ショーのようだという。いよいよ話題作への出演が増えてきたハーディだが、彼のファンなら観て損はないと思われる。なお、賞レースに絡むパワーは感じられないものの、ハーディにはそう、レオナルド・ディカプリオと共演する『レヴェナント:蘇えりし者』が控えている。そちらでの賞レース参戦を後押しすることになるのではないか。そう言えばハーディは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のパワフル演技も記憶に新しい。今年、最も合わせ技を炸裂させそうな俳優がハーディなのだ。限定公開ながら、興行的にも上々の滑り出しと言える。

 もう一本気に留めておきたいのはトルコ/フランス/カタール/ドイツ合作映画『Mustang』。外国語映画賞フランス出品作に選ばれている注目作で、カンヌ映画祭では監督週間で受賞を果たしている。黒海近くにあるトルコの小さな村、学校帰りに男の子たちと水辺で遊んだことを咎められて幽閉生活を送ることになった五人姉妹が、自由を求めて闘うことになる様が描かれる。新たなる「ヴァージン・スーサイズ」(99年)とも言われる内容だが、そちらに負けず劣らずの評価の獲得に成功。姉妹を演じる少女女優たちの強力なアンサンブルに導かれ、力強くタイムリーなメッセージが衝撃的かつ清々しく伝わってくるという。おそらくこれは外国語映画賞好みの内容。オスカーのみならず、批評家賞でも注目を集めることは必至だろう。ただ、興行成績が公開館数に見合ったものではないのは、気にかかるところかもしれない。





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