海賊じいちゃんの贈りもの

海賊じいちゃんの贈りもの “What We Did on Our Holiday”

監督:アンディ・ハミルトン、ガイ・ジェンキン

出演:ロザムンド・パイク、デヴィッド・テナント、ビリー・コノリー、
   ベン・ミラー、アメリア・ブルモア、エミリア・ジョーンズ、
   ボビー・スモールブリッジ、ハリエット・ターンブル

評価:★★




 今も昔も映画界は機能不全の家族が花盛り。『海賊じいちゃんの贈りもの』ではイングランドの家族が、ジイサンの誕生日パーティが開かれるスコットランドへ旅して大騒動。トラブル続出でも、予想外のハプニングだらけでも、そうこうしているうちに、はい、全ては丸く収まって…という定番のお話。

 期待するのは英国らしいブラック・ユーモアだ。アメリカ特有の健全さ・分かりやすさを拒否する毒入りの笑い。それが弾けてこその英国コメディ。あぁ、それなのに、いまいち毒の効きが悪い。それはおそらく、物語の視線が子どもの目の高さに合わせられているからだ。子どもだと侮るなかれ、物事をよく見ていて、その上素直であるがゆえの黒い笑いが生まれそうなものなのに、基本、良い子ばかり。笑いも素直なものにまとまる。

 ただし、中盤に用意されるロマンティックな葬送場面は子どもの視線が活かされた。海賊式の葬儀がテンポ良く、可愛らしく、美しく描かれる。なるほど、こんな風に送られたら気持ち良いかもしれない。何か尊いものがそこにある(ように丸め込められる)。

 家族の仲に刺激を与えるのはもちろん、ジイサンだ。ビリー・コノリーが演じる。癌で余命僅かなジイサンは「考えるより生きろ」がモットーの人。そのジイサンが固定観念や現実に縛りつけられた者たちの心に蹴りを入れる…という展開が盛り上がらないのは、ジイサンが案外フツーだからではないか。目を疑うほどに不敵でも、強引でも、破天荒でもない。単純に勝手気ままな自由人としてそこにいる。

 ジイサンよりむしろ、スコットランドの風景に魅せられる。広がるグリーンとキラキラしたブルー。シンプルにして、最高にリッチなこの組み合わせが、ジイサンよりもよっぽど頑なな心を溶かしてくれる。それも大らかさを忘れずに。葬送の儀式に身を乗り出してしまうのは、スコットランドのおかげでもあるのだ。狙い過ぎだけどな。

 葬送の儀式だけで終わらず、もっと海賊を話に絡めて欲しかった。海賊の格好をした来客まで出しておいて、話に何の貢献もしないだなんて、勿体ない。海賊の世界と現実の世界を交錯させたら、もっと刺激ある画が生まれそうなものじゃないか。少なくともよく分からないままに家族が再結束する…なんて事態を回避するヒントが隠れているだろう。





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