ブロークン・ポイント

ブロークン・ポイント “Days and Nights”

監督・出演:クリスチャン・カマルゴ

出演:アリソン・ジャニー、ベン・ウィショー、ウィリアム・ハート、
   ケイティ・ホームズ、マーク・ライランス、チェリー・ジョーンズ、
   ラッセル・ミーンズ、ミカエル・ニクヴィスト、
   ジャン・レノ、ジュリエット・ライランス

評価:★★




 1984年、ニューイングランドの田舎、メモリアルデイの週末にある家族が集まる。一癖も二癖もある彼らは、久しぶりに顔を突き合わせる内に、それぞれが抱える問題やエゴを露わにしていく。トレイシー・レッツの戯曲を基にした「8月の家族たち」(13年)を思い出す。この題材は舞台向きなのか、『ブロークン・ポイント』はアントン・チェーホフの戯曲「かもめ」がモチーフらしい。

 「8月の家族たち」同様、観る者を陰鬱な気分にさせる空気が嫌だ。黄緑に囲まれた景色は美しく、撮影はそこを吹く風の気持ち良さをしっかり収めている。それなのに、繰り広げられる、それぞれの「自分大好き」が根底に敷かれた衝突が不快指数を上げるだけとはこれいかに。

 ストーリーらしいストーリーがない中、作り手はそこで飼われるワシとその卵に人生を見ている。ワシは自由と正義の象徴であり、ワシが産み落とした卵もまた、人生のメタファーだ。その見方自体は悪いものではない。ただ、そこから広がっていくものがない。広げていくことこそが、作り手がやるべきことのはずなのに。

 終幕に差し掛かった頃、ワシにある事件が起こる。これをきっかけに、いよいよそれぞれの傷があからさまに刺激される。咄嗟に銃弾が発射され、裁判が始まり、殴り合いに発展、交通事故まで起きる。この一連の流れが実に舞台的。不思議なもので、舞台用に書かれた物語は、映画的に見せようとしてもどうしても舞台を眺めている気分を誘う。ここではその上、そこに作為がちらつく。

 この世界に放り込まれた役者たちにスター然としたところはほとんどない。「8月の家族たち」のキャストのように、意識的であれ無意識であれ、己を目立たせようとする気配はない。それにも関わらず、彼らもまた気取りが鼻につくことがある。役に生きる自分への陶酔が透けて見える。これは演出の問題だ。物語の中で前衛芸術が扱われているけれど、それと似た匂いを感じる。

 アリソン・ジャニーの出番が多かったのは嬉しいところ。このところ物語のワンポイントとして使われることが多く、それはそれで重要な役回りではあるのだけれど、今回は最もセリフの多い役柄で笑わせてくれる。そう、彼女に限って言えば、前述の不満は当てはまらない。自由なスピリットが嫌味に映らない稀有な女優だ。





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