サバイバー

サバイバー “Survivor”

監督:ジェームズ・マクティーグ

出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ピアース・ブロスナン、
   ディラン・マクダーモット、アンジェラ・バセット、ロバート・フォースター、
   ジェームズ・ダーシー、フランシス・デ・ラ・トゥーア

評価:★★




 目指したのは「北北西に進路を取れ」(59年)だろうか。それとも「逃亡者」(93年)だろうか。外交官であるヒロインがロンドンのカフェで起こった爆弾テロの容疑者の濡れ衣を着せられ、テロリストや米英の政府機関や警察に追われることになる。彼女は逃げながら、その真相を追うことに…。

 『サバイバー』の最大の失敗は、ミラ・ジョヴォヴィッチという身体の良く動く女優を起用しながら、ヒロインの身体能力を一般人レヴェルにすることを良しとしてしまったことではないか。ジョヴォヴィッチがやられっぱしのわけがない。きっとテロリスト相手に華麗なるアクションを見せてくれるだろう。そういう期待をことごとく裏切る画面が並ぶ。ジョヴォヴィッチがやることと言ったら、逃げることだけだ。

 ただし、赴任して僅からしいのに、やたらロンドンの街を熟知しているのは可笑しい。迷路のような地下鉄のトンネル内を我が家のように使うあたり、突っ込みを待っているとしか思えない。突っ込みと言えば、ジョヴォヴィッチの見せ方も突っ込み所満載。怪我をしても美しく、ストールひとつでファッショナブルに見せ、逃走中なのにロングブーツで踏ん張る。さすがモデル体型のジョヴォヴィッチ、何かのCMじゃなかろうな。

 ジョヴォヴィッチを狙うテロリストに扮するのはピアース・ブロスナンだ。伝説の人物らしく、時計屋と呼ばれて恐れられているらしい。…それにしては普通のオッサンなブロスナン。「仕事」をするときの恍惚の表情がワルのサインだ。逃げるだけのジョヴォヴィッチに代わって派手な立ち回りを見せてくれれば良いのに、残念、身体を労わらなければならない年齢ゆえか、ガンでターゲットを仕留めるばかりの静かな画に終始する。らせん階段の真ん中の空間を電灯の紐を使って一気に降りるときのような、映画的なケレンを意識しないでどうする。

 でもだからと言って、ジョヴォヴィッチと上司のディラン・マクダーモットが実は恋人関係にあったという展開はバカバカしい。ジョヴォヴィッチが孤立した状況下、マクダーモットは彼女を庇い続ける。人と人の繋がりを意識した演出かと僅かに気を緩めていたら、まさかの懇ろな間柄。しかもマクダーモット、肝心のクライマックスには全然出てこないだなんて!

 ヒロインが逃げれば逃げるほど、政府や警察は彼女への疑惑を深めていく。偶然にも彼女が犯人に見える状況証拠が出てくるためだ。せめてこの不自然さを上手く処理して欲しい。現場にいたから犯人だなんて、おそらく現実と地続きの世界を見せたいのだろうに、あまりに頓珍漢。テロリストがあっさり出国・入国したり、犯人を追う立場の人間が頑なな態度を崩さなかったり、現実感がどんどん消えていく。いや、消えるのは構わないのだ。作り手がこれを現実だと提示しているフシがあるのが問題だ。映画だと割り切って、派手な装飾のエンタ-テイメントとして見せる方が柄に合うだろう。





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