ジョン・ウィック

ジョン・ウィック “John Wick”

監督:チャド・スタエルスキ

出演:キアヌ・リーヴス、ミカエル・ニクヴィスト、エイドリアンヌ・パリッキ、
   ルフィー・アレン、ブリジット・モイナハン、ディーン・ウィンタース、
   イアン・マクシェーン、ジョン・レグイザモ、ウィレム・デフォー

評価:★★★




 ジョン・ウィックが復讐を決意する動機が良い。死んだ最愛の妻から贈られた子犬を殺されたというのが、その理由だ。B級映画に小難しさは要らない。最低限にして説得力あるそれが、男を突き動かす。『ジョン・ウィック』のエンジンは怒りを燃料に回転を緩めない。

 主人公が狙うのはニューヨークで暗躍するマフィアだ。彼らのジョン・ウィックへの恐れ慄き方が可笑しい。ジョン・ウィックはかつて殺し屋をターゲットにする殺し屋で、それはそれは大変な凄腕だった。ヤツを敵に回した場合、死を覚悟しなければならない。伝説の男が目覚めてしまった。マフィアのボスが子犬を殺したバカ息子を売っても不思議ではない。ひぃぃぃ。…という空気が立ち上がる。

 このマフィアの世界の描き方が、物語にある種の神々しさを引き寄せているというのは褒め過ぎか。マフィアの世界ならではの掟が存在し、誰もがそれに従って生きている。12時にディナーの予約をすると死体清掃人がやって来る制度。マフィアご用達のホテルがあり、そこでは「仕事」をしてはいけない決まり。マフィアの金の保管された教会。この世界では堅気の人々は抗争に巻き込まれない。マフィアと一般人の間には見えないカーテンがかけられているようだ。

 ジョン・ウィックはこの世界でアクションを繰り広げる。彼の披露するそれは、特別目新しいものではない。昔ながらのガンアクションに格闘技のエキスが若干注がれた印象だ。けれど妙に目に残る。アドレナリンも刺激される。どうやらそれは右手と左手の動きが一致しないところから来ている。ジョン・ウィックは右手にガンを持ち、左をフリーにすることで、敵を討つ可能性を倍にしているように見える。

 ジョン・ウィックを演じるキアヌ・リーヴスはここに速度をつける。振りつけられたバトルだろうに、そう見せない運動力。反射神経の研ぎ澄まされたアクションが洗練を感じさせる。調べたところ、監督兼任作「ファイティング・タイガー」(13年)の一年半後に撮られているのだけれど、あのときよりも明らかに動きがキレている。どうせなら髭面もやめて欲しかった。そうすればアクションは満点だった。

 唯一にして大き過ぎる欠点は、殺し屋のやり口に全く捻りがないことだ。ジョン・ウィックは狙いを定めた人物に作戦を仕掛けるということがない。まるでターミネーターのように真正面から向かっていく。彼が伝説の殺し屋であるたる所以が、そこから見えてこない。ここはB級精神を言い訳にできないところだろう。





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