November 6-8 2015, Weekend

◆11月第1週公開映画BUZZ


“Spotlight”
 配給:オープンロード・フィルムズ
 監督:トーマス・マッカーシー
 Budget:$20,000,000
 Weekend Box Office:$295,009(5) Great!
 OSCAR PLANET Score:94.6 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           助演男優賞:マイケル・キートン
           助演男優賞:マーク・ラファロ
           助演男優賞:リーヴ・シュライバー
           助演男優賞:スタンリー・トゥッチ
           助演女優賞:レイチェル・マクアダムス
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、録音賞音響効果賞作曲賞

“Brooklyn”
 配給:フォックス・サーチライト
 監督:ジョン・クローリー
 Budget:$10,000,000
 Weekend Box Office:$187,281(5) Great!
 OSCAR PLANET Score:94.0 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演女優賞:シアーシャ・ローナン
           助演男優賞:エモリー・コーエン
           助演男優賞:ドーナル・グリーソン
           助演女優賞:ジュリー・ウォルターズ
           撮影賞編集賞美術賞衣装デザイン賞作曲賞

“Trumbo”
 配給:ブリーカー・ストリート
 監督:ジェイ・ローチ
 Budget:-
 Weekend Box Office:$77,229(5)
 OSCAR PLANET Score:68.5
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:ブライアン・クランストン
           助演男優賞:ルイス・C・K
           助演男優賞:ジョン・グッドマン
           助演女優賞:エル・ファニング
           助演女優賞:ダイアン・レイン
           助演女優賞:ヘレン・ミレン
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞

007/スペクター “Spectre”
 配給:コロンビア、MGM
 監督:サム・メンデス
 Budget:$300,000,000
 Weekend Box Office:$70,403,148(3929) Great!
 OSCAR PLANET Score:65.1
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:ダニエル・クレイグ
           助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ
           助演女優賞:モニカ・ベルッチ
           助演女優賞:レア・セドゥー
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、視覚効果賞
           録音賞音響効果賞、作曲賞、主題歌賞

I LOVE スヌーピー/THE PEANUTS MOVIE “The Peanuts Movie”
 配給:20世紀フォックス
 監督:スティーヴ・マーティノ
 Budget:$100,000,000
 Weekend Box Office:$44,213,073(3897) Great!
 OSCAR PLANET Score:75.3
 Oscar Potential:作品賞、録音賞、音響効果賞、アニメーション映画賞

“Miss You Already”
 配給:ロードサイド・アトラクションズ
 監督:キャサリン・ハードウィック
 Budget:-
 Weekend Box Office:$552,503(384) zzz...
 OSCAR PLANET Score:63.2
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演女優賞:ドリュー・バリモア
           助演女優賞:トニ・コレット
           作曲賞


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 11月第1週は強力作の一斉公開で大賑わい。

 中でも注目は、秋口から始まった各映画祭での上映で熱狂的支持を獲得している『Spotlight』。カトリック教会の神父たちによる児童の性的虐待事件を暴くBoston Globeの記者たちを描く作品。虐待事件よりもジャーナリズムに焦点が当てられているのがポイント。トーマス・マッカーシー監督の実話性に寄り掛かることのない優雅な語り口は、悍ましい事件を巧み描き出し、かつそこに衝突するジャーナリズムの精神を極めて丁寧に掬い上げていると批評家は絶賛評を次々発表している。実在した記者たちに敬意を表しながらもヒーロー扱いすることなく、適度な距離を保ちながら物語を語るところを始め、題材への向き合い方も大変真摯だという。揃えられた実力派たちのアンサンブルも大いに見もの。この賛辞は今年最大級レヴェルであり、当然オスカーレース参戦は確実。それも作品賞候補はまず間違いなく、監督賞や演技賞、そして技術賞でも旋風を巻き起こす可能性が高いだろう。役者では誰が候補に挙がるのかという点も注目で、現時点ではマーク・ラファロとマイケル・キートンのどちらかが、或いは両者共助演男優賞候補に挙がるのではないかとの予測が多い他、レイチェル・マクアダムスの助演女優賞候補を期待する声も大きくなっている。なお、興行的にも拡大公開に期待を持てる素晴らしいスタートを切った。ほとんど唯一にして最大の不安要素は配給会社が賞レース実績に乏しいオープンロード・フィルムズだということ。いかに出来映えが良くてもキャンペーンが巧く機能しないと思わぬ苦戦を強いられる可能性はなきにしもあらずか。なお、この映画の主人公たちが勤務するBoston Globe(タイ・バー)が発表した批評は100点満点の「★★★★」。Congratulations!

 『Brooklyn』も『Spotlight』に負けず劣らずの素晴らしい評価を獲得。1950年代のブルックリンへやってきたアイルランド移民の少女が、アメリカに住むイタリア青年と地元の青年との間で揺れ動く様が描かれる。ニック・ホーンビィが脚本を担当した、所謂メロドラマがだが、その枠にハマらない生き生きとした魅力がたっぷり詰まっているという(ジョン・クローリーの演出力)。綿密に描き出された時代背景、若い魂が繊細に躍動する様が琴線に触れ、胸が熱くなること必至。シアーシャ・ローナンはいよいよ大人の女優へと変身を始めていて、彼女が蝶として羽ばたいていく様を眺める楽しみもある。脇を固めるエモリー・コーエンやドーナル・グリーソン、ジュリー・ウォルターズらも充実の演技。賞レースではローナンの主演女優賞候補が大いに期待できる他、美術賞や衣装デザイン賞でも健闘するだろう。作品賞、監督賞、助演女優賞で指名されても不思議ではないと言える。ただし、メロドラマに抵抗を覚える会員がいるかもしれないが…。なお、興行成績も絶好調。ローナンはスター女優として今後ますます売れっ子になっていくと思われる。

 『Trumbo』も注目作。赤狩りの標的にされる脚本家ダルトン・トランボの伝記映画。聴聞会で証言を拒否したことで刑務所に入れられるトランボがいかにして復活を果たしたかが描かれる。トランボに敬意を表しながら、「自由」と呼ばれるものの大切さを高らかに謳い上げた作品で、トランボの不屈の精神と彼を支えた周囲の人々の思いが熱いものを呼び起こすという。監督がジェイ・ローチなだけあり、堅苦しくなく、むしろユーモアを感じさせるタッチなのがポイントか。トランボを演じるブライアン・クランストンは「ブレイキング・バッド」(08~13年)が終了し、いよいよ映画俳優として真価を見せ始めたと言って良い爽快パフォーマンス。妻役のダイアン・レイン、娘役のエル・ファニング、映画会社重役役のジョン・グッドマン、トランボを標的にするゴシップコラムニスト役のヘレン・ミレンらのアンサンブルも特筆に値するとのこと。ただし、トランボの偉大な脚本の数々を思い起こすと、それには到底及ばないとする指摘は少なくはない。賞レースではクランストンの主演男優賞候補があるのかが最大の注目点。映画業界を舞台にしているという点が会員に受ければ、それ以上の結果を残すかもしれないが、さすがにそれは難しいか。なお、実際にトランボが共産主義者だったらしいことをどう捉えるかも不安要素と言えるかもしれない。興行的には可もなく不可もなくのオープニング。ちなみに、トランボの代表作を挙げると、「恋愛手帖」(40年)「ローマの休日」(53年)「スパルタカス」(60年)「ジョニーは戦場へ行った(71年)「パピヨン」(73年)…と名作がズラリ。

 娯楽作では『007/スペクター』がいよいよ登場。「007」シリーズ第24弾、ダニエル・クレイグ版としては4本目。一枚の写真の謎を解くべくメキシコに渡ったジェームズ・ボンドが悪の組織スペクターに立ち向かう様が描かれる。ショーン・コネリーは別格にしても、いよいよ史上最高のボンドとして風格が頼もしいクレイグが、これぞ新時代のボンドだと颯爽と物語を突っ切っている。アクションの鮮やかさ、綿密な物語構造、これまでのボンド映画へのオマージュ…クレイグ版ボンド映画の決定打とは呼べないにしても、大人のためのエンターテイメントとして十分満足できる仕上がりだという。これまでの賞レース実績を考えると、主要部門に絡むとは思えないが、前作同様サム・スミスが書き下したテーマ曲「Writing's On The Wall」が主題歌賞候補に挙がる可能性は小さくない。しかし、この映画の注目は興行成績だろう。本国イギリスでは史上最高のオープニング成績を叩き出したが、アメリカでは前作「スカイフォール」(12年)の8,836万ドルを1,796万ドル下回る7,040万ドル。これに満足できないと文句をつけるのは愚かというもので、クレイグ版ボンドシリーズが歴史的大成功を収めていることを改めて証明したと言って良い。最終的には2億5,000万ドル付近までは狙いたいたいが、果たしてどうなるか。クレイグが次のボンド映画の続投があるのかも含め、大いに気になるところ。

 アニメーションからは『I LOVE スヌーピー/THE PEANUTS MOVIE』を支持を集めている。タイトルから分かるように、チャールズ・M・シュルツによって生み出されたスヌーピーやチャーリー・ブラウンたちの活躍を描くアニメーション。スヌーピーの空想好きの一面を活かした作りの模様。もはやクラシックと言って良いキャラクターに吹き込まれた命が品の良いノスタルジーを呼び起こし、彼らと一緒に成長してきた大人たちはそれだけで胸が熱くなるだろうと批評家は大歓迎。子どもにもアピールする物語、カラフルな画面も愉快だと出来映えももちろん悪くない。アニメーション映画賞レース参戦はほぼ確実で、注目は『インサイド・ヘッド』を撃ち落せるかどうかという点になるが、さすがにそれは難しいと思われる。出来が良いことに間違いはないが、所謂優等生的、保守的な作りゆえ、会員にはフロントランナーの独創性の方がより輝いて見えるはず。今年は相手が悪かったと思うしかない。それに興行成績は良いのだ。3日間成績は4,421万ドルに達していて、ロングヒットが大いに期待できる。続編製作も十分可能だろう。老若男女問わず長く愛される、それこそがこの映画の勝利だ。

 ドリュー・バリモアとトニ・コレットが主演する『Miss You Already』は幼馴染で親友である女ふたりの物語。片方が念願の妊娠を果たし、もう片方が乳癌であることが判明したことで、その関係がどう動くかを描く。あからさまに涙を搾り取ろうとする作りを恥じることのない、直球の友情ドラマ。その点に苦言を呈した批評は少なくないが、それでも生き生きした会話と有能なキャストのおかげで、気分良く見られると好意的見解が優勢になっている。フィールグッド・ムービーは賞レース受けすることが難しいが、拡大公開が成功すれば、ゴールデン・グローブ賞で目に留められる可能性はあるかもしれない。バリモアとコレットのキャリアにおいても歓迎される一本だろう。ただし、残念なことに興行成績はそれに見合ったものにはならず、極めて厳しいオープニング結果に終わっている。





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